2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17104003
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岸本 忠史 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90134808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 泉 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20294142)
味村 周平 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10273575)
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Keywords | ニュートリノ / 2重ベータ崩壊 / マヨラナ質量 / 粒子数非保存 / 極低バックグランド / シンチレーター / 地下実験室 |
Research Abstract |
ニュートリノを放出しない2重ベータ(Oνββ)崩壊の観測は、ニュートリノが粒子と反粒子を結ぶマヨラナ質量を持つ事を示し、宇宙が粒子だけの(反粒子のない)世界になったことを説明する鍵となっている。本研究では2重ベータ崩壊核の中で最高のQ値(4.27MeV)を持ち、BGの最も少ない^<48>Caの2重ベータ崩壊を研究するためにCANDLES-III検出器を建設して、現在世界最高感度を達成している^<76>Geの実験に追いつき追い越す事を目標としている。本年は 1.CaF2結晶を購入し、バックグランドを測定し予定の性能が達成されていることを確認した。 2.PMTを購入し、性能を確認した。 3.検出器の特性を検証するため、地上の阪大理学部の原子核実験施設に直径2.8m高さ2.6mのタンクを建設し、PMTをインストールした。理学部では消防法の問題があるので、タンク内は水とし、中心に1kリットルのオイルのベッセルを設置し、結晶はそこに入る。 4.結晶を入れるまえにPMTからの信号を確認した。 5.本実験用に新設計したPMTが長期的な対腐食性に問題があることが判明し、メーカーと相談して対策を立て、手直しを行った。手直しは年度中に間に合った。来年度後半に地下実験室に装置を設置して、観測に入る予定は崩さずに済みそうである。 2005年9月16日〜20日の日程で日米セミナーを開催した。報告書は http://usj-phys.sci.osaka-u.acjp/index.html をご覧頂きたい。岸本とK.Lesko氏(米国の新しい地下実験施設の代表)が共同で主宰し、シーソー機構の創造者である柳田氏の基調講演と米国の中心計画であるMajorana projectが紹介される中、本CANDLES計画も紹介し、他の計画に比較して実際の問題点を既に克服済であることを印象付けることができた。
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Research Products
(6 results)