2008 Fiscal Year Annual Research Report
非対称ポテンシャルを用いたスピンダイナミクス整流素子の作製と物性制御
Project/Area Number |
17104005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大谷 義近 The University of Tokyo, 物性研究所, 教授 (60245610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 崇 九州大学, 稲盛フロンティア研究センター, 特任教授 (80360535)
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Keywords | ナノ磁壁 / 非対称ポテンシャル / スピントロニクス / 分子モーター |
Research Abstract |
・楕円リングにおける磁壁ペアの高周波振動磁場応答 二次元電子ガスの曲がり抵抗を用いた測定手法により楕円リング中に捕捉された磁壁ペアの運動の周波数依存性等の詳細な実験を行い、磁壁対の最適な回転条件を見つけた。フラッシングラチェット機構により駆動される"磁壁モーター"素子等のデバイス応用に向けた提案については、まだ模索中である。「スピンファラデー誘導効果」すなわち磁壁運動によってリングに沿って誘導される環状電流の観測についても、起電力が予想寄り小さかったために測定は困難であったが、素子改善の指針をつかむことができた。 ・調整可能な磁壁ステップ駆動素子の実現 強磁性細線を近接させることにより、磁壁運動に対して場所に依存したポテンシャルを導入することに成功した。このような磁性細線ペアを多数並べることにより振動磁場に対して磁壁を一方向にステップ駆動できるラチェット素子についてマイクロマグネティクス等の理論的な解析を積極的に用いた、より最適な素子設計を完了した。 ・スピン整流素子 スピン整流効果である(スピンホール効果)を電気的に観測することに成功した。その後、スピン軌道相互作用を用いたスピン流生成手法やスピンホール効果の発生機構に関する研究を集中的に行い、一連の成果を上げた。
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