2005 Fiscal Year Annual Research Report
3次元TEMによるブロック共重合体ミクロ相分離構造の格子欠陥と粒界構造の研究
Project/Area Number |
17105004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長谷川 博一 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60127123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 幹人 京都大学, 工学研究科, 助手 (30222102)
西条 賢次 京都大学, 工学研究科, 教務職員 (60115847)
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Keywords | ブロック共重合体 / ミクロ相分離 / 電子顕微鏡 / 電子線トモグラフィー / 粒界構造 / 秩序-秩序転移 / 自己組織化 / Fddd |
Research Abstract |
本研究は、電子線トモグラフィーを主体とした3次元ナノ構造解析法を用い、ブロック共重合体を主とする高分子系ナノテクノロジー材料や複合材料の自己組織化を利用した構造制御、さらには新材料の開発を目指している。今年度は特に、ブロック共重合体のミクロ相分離構造の粒界(グレインバウンダリー)構造の解析、相転移における構造形成機構に関する研究を行った。 先ず、電子線トモグラフィーによる3次元ナノ構造解析を効率的に行うため、京都大学工学研究科既設の透過型電子顕微鏡(JEOL JEM-2000FX,加速電圧200kV)に、平成17年度の設備備品費により1000×1000画素のCCDカメラを導入した。また、これにより得られた傾斜シリーズ画像の位置合わせに正確かつ効率的に行うための位置合わせソフトウエアを開発した。これにより、これまで手作業に頼っていたマーカー微粒子の確認作業が自動化できた。また、得られた3次元像の可視化に有効な3次元メディアンフィルターの開発を行うとともに、3次元ボリュームを自在に分割し、計測することができるソフトウエアを導入した。 粒界構造の研究では、これまでの知識の蓄積が利用できるポリスチレン-ポリイソプレンジブロック共重合体/ポリスチレンホモポリマー(SI/HS)混合物を用い、Complex Phase Windowと呼ばれる組成領域におけるGyroid共連続構造生成過程のGyroid/ラメラ粒界構造を電子線トモグラフィーにより3次元解析した。両ミクロ相分離構造の界面の連続性等様々な現象が明らかになったが、粒界領域そのものは1周期長程度とかなり狭いことが判明した。 また、温度変化により秩序-秩序転移を示すSIジブロック共重合体を合成し、これまで3成分トリブロック共重合体でしか観察されていなかったFddd共連続構造がある温度域では平衡構造として出現することを発見した。昇温によりラメラ、Fddd、Gyroidと転移することが判明したので、それぞれの構造間での構造転移の機構を電子線トモグラフィーにより観察することが可能になった。次年度以降の研究に弾みがついた。
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Research Products
(4 results)