2007 Fiscal Year Annual Research Report
3次元TEMによるブロック共重合体ミクロ相分離構造の格子欠陥と粒界構造の研究
Project/Area Number |
17105004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長谷川 博一 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (60127123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 幹人 京都大学, 工学研究科, 講師 (30222102)
西条 賢次 京都大学, 工学研究科, 助教 (60115847)
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Keywords | ブロック共重合体 / ミクロ相分離構造 / 電子線トモグラフィー / 格子欠陥 / 粒界構造 / ナノテクノロジー / ジャイロイド構造 / Fddd構造 |
Research Abstract |
ポリスチレン-ポリイソプレンジブロック共重合体(SI)とポリスチレンホモポリマー(HS)の混合系の溶媒キャスト過程におけるGyroid構造の成長様式には、スポンジ構造から過剰なHSを排斥しながら成長する場合と、PL構造から成長する場合の二通りがある。前者の場合はGyroid構造中にトラップされたHSが欠陥構造の原因となるため、欠陥の多いGyroidグレインとなるが、後者では欠陥の少ないきれいな単結晶状のGyroidグレインが得られる。後者の場合のGyroid/PL粒界構造を3次元TEM観察し、Gyroid構造の成長機構を明らかにすることができた。特に興味深いのはGyroid構造の(111)面とPLのLayerの方向が一致してエピタキシャル成長する場合である。Gyroid構造/PLの粒界ではPLのLayerが交互にGyroid構造の2組の網目と連結していることから、巧妙な構造転移が起きていることがわかった。そのため、粒界直近からきれいなGyroid網目が形成されており、格子欠陥もほとんど見られない。またGyroid構造の粒界面はGyroid構造モデルとの比較から(211)面であることがわかった。多孔体化したGyroid構造を劈開すると劈開面には(211)面が現れることが報告されており、この結果との共通性が興味深い。 一方、前者の様式で成長したGyroidグレインの内部に存在する線状欠陥の3次元TEM像観察から、過剰なHSは特定の格子面((211)面)を境界として凝集しやすいことが分かった。Gyroidグレイン周辺部に見られる線状欠陥周辺では、2つの網目が連結したところが多く観察された。このことから、Gyroidグレイン内部の過剰なHSは線状欠陥を通じてグレイン外へ排斥され、その周辺部のGyroid網目は構造修復の過程にあることが推測される。
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Research Products
(46 results)