2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17105005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真嶋 哲朗 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00165698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤塚 守 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (40282040)
川井 清彦 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (50314422)
遠藤 政幸 大阪大学, 産業科学研究所, 特任助教授 (70335389)
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Keywords | DNA / 電荷分離 / 電荷移動 / 光 / 光電流 / ナノデバイス / ホール / バイオセンサー |
Research Abstract |
本研究は、DNAに光機能性分子およびナノ粒子を修飾することでDNAの光機能化を行い、そのDNAを反応場として電荷分離・電荷移動系を構築することを行うと同時に、DNAの自己組織化の性質を利用した分子集合体をデバイス表面に集積させ、DNA光電変換デバイスの構築を行うことを目的としている。 本年度は修飾DNAにおける高速電荷移動系の構築を行った。アデニン塩基が連続した配列で構成される長鎖DNAの両末端にナフタルイミドとフェノチアジンを修飾し、ナノ秒レーザーを用いた時間分開過渡吸収測定によって電荷移動の評価を行った。その結果、アデニンが連続した配列では10ナノメートルの距離を10ナノ秒以内に移動することが分かり、配列設計によって高速電荷移動が達成されることが明らかとなった。この現象は、アデニン連続のときに効率が高く、アデニンとチミンが交互に並ぶ配列では効率は減少し、電荷のキャリアーとなる塩基が直接するスタッキングすることで電荷の流れを促進することが明らかとなった。さらに、同様の手法を用いて、グアニンとシトシンが交互に並ぶ配列においても電荷は高速に移動することを明らかにした。相補的な領域を制御することで、複数のDNAから構成される集合体の電荷移動過程の観測に成功し、電荷移動が配列に依存する性質を利用したターゲットDNAの配列情報読み出しを行った。デバイス応用の点では、光機能化DNAを金電極に固定化したDNAフィルムを作製し、光を照射して得られる電流がDNAの配列、すなわち電荷分離状態の寿命、電荷移動に依存することを見出した。この結果は、電極表面上のDNAの電荷移動の性質が直接光電流効率を反映することを意味し、配列によってデバイスとしての性質をコントロールできることが示された。
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Research Products
(58 results)