2006 Fiscal Year Annual Research Report
コヒーレント低速電子を用いた単分子の回折顕微鏡法の開発
Project/Area Number |
17106001
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大島 忠平 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10212333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
六田 英治 早稲田大学, 理工学術院, 助教授 (80298166)
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Keywords | 単原子電子源 / 電子回折顕微鏡 / 単文篠電子回折 / 大立体角分析器 / 極高真空 |
Research Abstract |
コヒーレント低速電子ビーム回折顕微鏡の開発ため、下記の5項目を実行した。 (1)単原子電子源の開発 従来からの研究実績に基づき、回折顕微鏡への応用を視野にいれた電子源材料を検討した結果,金で終端した電子源のエネルギースペクトルや先端形状の再現性が他に比較して優れていること確認した。 (2)低速電子ビームによる透過回折像の観察 実際に、電子投影顕微鏡に単原子電子源を取りつけ、金薄膜の回折像の取得を試み、微小ナノ領域からの低散乱角領域の回折像の取得に成功した。 (3)低速電子ビーム応用への検討と装置開発 静電レンズを搭載したシステムを組上げて、単原子電子源からの高指向性のビームを観測し、線源の方位調整を極めて高い精度で行う必要性を認識した。さらに、電子源の頻繁な破損が発生する経験を得た。以上の問題を解決するために、電磁レンズと逆バアス法を採用する回折装置を設計し、製作した。 (4)試料保持システムの開発 単分子を強固に保持するために、従来にはない単原子層の厚さの自己保持グラファイト膜を検討した。 (5)検出器の開発 低速電子ビームの大半は物質内の素励起現象を励起し、2次電子を放出し、入射電子波のコヒーレンスを減ずる。これによって、回折には寄与できない多くの電子が発生し、雑音となる。これらの雑音を排除し、広い立体角に渡ってエネルギーフィルター機能を保持した検出器を独自に開発し、その性能を確認した。
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Research Products
(3 results)