2007 Fiscal Year Annual Research Report
都市スケール移流拡散現象の素過程抽出と次世代乱流モデルの構築
Project/Area Number |
17106003
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
長野 靖尚 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, プロジェクト特任教授 (20024325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田川 正人 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (80163335)
保浦 知也 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教 (00324484)
服部 博文 名古屋工業大学, 技術部, 技術専門員 (30467352)
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Keywords | 熱工学 / 流体工学 / 乱流 / 移流拡散 / 物質移動 / 直接数値計算 / 成層風洞 / 乱流モデル |
Research Abstract |
当初の研究実施計画に基づき,本年度は以下の成果が得られた。 1.複雑乱流場における熱・物質移流拡散過程の解明 (1)物質輸送過程の風洞実験:空気と密度がほぼ等しいエチレンを平板乱流境界層や2次元丘周りの様々な点から導入し,その下流に形成される平均濃度場の挙動から汚染物質の拡散過程の特性を明らかにした。 (2)直接シミュレーション(DNS)による詳細な解析:パーソナルスーパーコンピューターと大型計算機センターのスーパーコンピューターを併用し,都市環境における乱流熱・物質伝達の素過程が顕在化する以下のDNSを実施し,統計的な性質と乱流構造を詳細に解析した。 ・大気の安定成層または不安定成層を要因とする温度成層乱流境界層 ・地形の急激な変化を要因とする前向きステップを通過する温度成層乱流境界層 ・都市やその周囲の地形を模擬する2次元丘(曲壁)を通過する熱対流を伴う乱流境界層 ・汚染物質の拡散を要因とする温度成層乱流境界層内の濃度場 ・建造物を模擬する2次元矩形ブロックを通過する乱流境界層の熱輸送と濃度拡散 ・建造物に囲まれた空間の熱伝達と遠心力の効果を要因とする回転矩形管内の乱流熱伝達 2.都市スケール輸送現象の素過程のモデリングと乱流モデルの統合 上記の実験とDNSにより得られたデータを用い,都市スケール輸送現象の素過程モデルの開発と検証を進めた。 3.統合乱流モデルを用いたリアルタイムシミュレータの開発 リアルタイムシミュレーションには,適切な素過程モデル,複雑地形や建造物など複雑な境界条件の表現,効率的な非定常計算法,が要求される。これらを考慮してリアルタイムシミュレータの開発を進めた。 4.データベースの作成実験および直接シミュレーションの結果を順次データベースに登録・整備して,乱流モデルの開発および検証に利用した。
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Research Products
(19 results)