Research Abstract |
(1)1次元MPC 任意の光波長で光局在化するMPCマイクロキャビティや,バンドギャップ端を利用する周期構造体を精度よく形成する技術を確立した.まだ,高調波側でバンドギャップを有する試料形成も完了し,これら試料について線形・非線形特性の実験・理論特性解明を完了した.この成果を踏まえ,文部科学省キーテクノロジー事業と連携して,1D-MPCベース空間光位相変調デバイスの開発を開始した. (2)2次元MPC 2次元周期構造を有するアルミナベースのMPC形成を行い,明瞭なバンドギャップと磁気光学特性の変調を見出した.現在,RIE手法とも連携して,完全な2次元構造を有するMPC形成を進めている.理論解析結果を踏まえ,薄膜導路型の光アイソレータへの応用を展開している.本構造体における非線形光学特性評価は次年度以降に残されている課題である. (3)3次元MPC バーティカルデポジッション法とスパッタ法,およびゲルコート法とを組合わせることで,図1に示すような3次元MPCの形成に成功した.また,3次元構造MPCの偏光特性や入射方位依存性について,理論・実験から基礎特性を解明した.これらの成果を踏まえ,3次元MPCのホログラム記録メディアとしての応用展開を検討している.本構造体の非線形光学効果の解明は,次年度以降に残されている課題である. (4)局在プラズモン励起 Auなどの金属超微粒子を磁性ガーネット内に分散させることで,局在プラズモン共鳴によるファラデー効果の増大現象を実験・理論から示した.このような増大現象はこれまで実験的に示された例はなく,MPCとの連携による本手法の工学的な応用が期待される. (5)スピン波機能 磁性体固有の波動として,スピン波(静磁波)があり,磁気的に形成したMPCでスピン波が光と同じようなバンドギャップを形成することを実験的に示した.この構造体は,磁区構造を電子的に制御することで,制御性を有する高周波マイクロデバイスへの応用が期待できる.
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