2009 Fiscal Year Annual Research Report
革新的金属ナノ中空球および金属ナノチューブの創製と機能性解明
Project/Area Number |
17106009
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中嶋 英雄 Osaka University, 産業科学研究所, 教授 (30134042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲村 龍介 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (70396513)
多根 正和 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (80379099)
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Keywords | 金属ナノチューブ / 相互拡散 / 中空粒子 / 磁化特性 / 弾性 |
Research Abstract |
1. 異種金属コア-シェル構造における相互拡散とカーケンドール効果による金属ナノチューブの形成 同一温度における自己拡散係数が大きく異なり,なおかつ全率固溶体を形成するCu/Niのコア-シェル構造ナノワイヤーを作製し,相互拡散によるチューブ構造化の挙動を透過型電子顕微鏡でその場観察した。作製したCu/Niナノワイヤーを真空中でアニールすると,チューブ構造は得られなかったが,大気中200℃で加熱しNi表面に酸化層を形成させた後に,真空アニールを行うと,チューブ構造を得ることができた. 2. 強磁場における金属ナノワイヤーの酸化とナノ中空構造の制御 FeやNiなどの強磁性ナノワイヤーを強磁場中で酸化させ,強磁場による形態の変化を観察した.強磁場により原子移動や結晶格子ひずみに異方性を与えることによってナノワイヤーの形態制御を試みたが,強磁場は強磁性ナノワイヤーの形態に影響を及ぼさないことが見い出された. 3. 酸化物中空ナノ粒子の磁気測定 FeおよびNiナノ粒子を酸化させて得られる酸化鉄および酸化ニッケル中空粒子の磁気特性をSQUIDを用いて測定した結果,(1)膜面垂直および平行方向の磁場に対して磁化の異方性が見られること,(2)孔のない中実粒子に比べ中空構造の粒子のほうが飽和しやすく飽和磁化が小さいこと,がわかった.酸化物中空ナノ粒子の磁気特性に関する新しい知見が得られた. 4. 酸化物中空ナノ粒子の制振特性 Cuナノ粒子およびこれを150℃で酸化させて得られるCu_2O中空粒子の制振性を評価したところ,両者の特性には明瞭な違いは見られなかった.
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