Research Abstract |
本研究では研究代表者らが独自に開発した触媒のin-situキャラクタリゼーション法ならびにコンビナトリアルツールを先鋭化させ, それらを有機的に統合することによって, オンサイトGTLプロセスのための高活性触媒の開発を試みる. 本年度の主な成果を以下に記す. HTS手法実験パラメータ, 触媒パラメータ, 触媒性能を, 相互に関係づける手法として, 前者ではラジアル基底関数ネットワーク, 後者では重回帰分析が有効であることを見出した. 直交表に基づいて設計した触媒の活性試験とin-situキャラクタリゼーションの結果から触媒性能に直接関与しているパラメータの抽出に成功した. In-situキャラクタリゼーション昨年度に硝酸Co水溶液とキレート剤水溶液を逐次含浸して触媒を調製すると,H_2還元後に金属Co種が高分散して従来のチャンピオンデータを上回るFTS活性が得られることを見出した. 本年度は, H_2還元前の焼成過程に注骨して, Co種の分散性および微細構造変化をin-situ QExAFs(放射光), XPSによって調べた結果, キレート剤を用いると無水硝酸Co種が形成する過程でCoの分散性が向上することが見出された. SiO_2と無水硝酸Co種の相互作用を最適化することにより一層の金属Co種の分散性向上, すなわちFTS活性向上が期待される. オンサイトGTLプロセスのための触媒開発 酸化的改質触媒 : 1000種類以上の触媒中, 最も活性の高かったNi-K/α-Al_2O_3触媒を解析した. 還元前の触媒には4種類(α、β、γ、δ)のNiOが含まれているが, 改質活性はα-NiO量とβ-NiO量の差で決まること, 改質選択率はNiOのフラクタル次元, 格子定数, 粒子径により決まること, を見出した. FTS触媒 : これまでに見出されているキレート剤(例えばシクロヘキサンジアミン四酢酸, CyDTA)はいずれも水溶液中でCoイオンと安定な錯体を形成する. 本年度はCoイオンとの錯形成能が弱いグリコール類の効果を調べたところ, CyDTAとほぼ同等の活性向上効果が得られるという興味深い現象を見出した.
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