2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ現場遺伝子解析システムの実海域展開と機能の高度化
Project/Area Number |
17106012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤井 輝夫 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (30251474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 貴富喜 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (20322688)
福場 辰洋 東京大学, 生産技術研究所, 特任助手 (80401272)
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Keywords | マイクロ流体デバイス / 現場分析装置 / 遺伝子解析 / 深海 / IISA-Gene / PCR / DNA精製 / IISA-ATP |
Research Abstract |
本年度は,マイクロ現場遺伝子解析システム(IISA-Gene:Integrated In Situ Analyzer-Gene)の機能の高度化に向けて,微生物細胞からDNAを精製する方法やデバイス内部を洗浄するための洗浄バッファやそれを用いた処理法についての検討及び基礎的な評価試験を行った.その結果,主にカオトロピック試薬及びガラスビーズを用いてDNAを精製する方法,及び次亜塩素酸ナトリウム水溶液によるデバイス洗浄がそれぞれ有効であることを確認した. また,深海などの現場環境におけるIISA-Geneの操作性を向上させ,またその動作をより安定したものにするためにテフロン製チューブなどを用いた配管系に代わり,微小流路を有し,バルブと一体化したPMMA製のマニホルドを用いた流体操作システムを採用し,同時にその制御システムに関しても,操作性・安定性を向上するための改良を行った. さらに,微生物の遺伝子を用いた分析に加え,それら微生物の有するATP(アデノシン3リン酸)の定量的な検出を行うことのできる装置(IISA-ATP)の開発を始め,PDMS製マイクロチップからの発光量を連続的かつ高感度に検出することのできる発光分析装置を導入した. 定点設置型サンプル処理装置(ESP)のDNA精製法に関する互換性については,モンタレー湾水族館研究所・研究員のCbris Scholinらと,今後必要となる技術的な改良点,主に送液及び制御システムに関する方法について討議を行った. また,IISA-Geneを実際の海洋環境で稼働し,深海環境に生息する微生物を対象とした遺伝子解析を行うため,海洋調査船「なつしま」及び無人探査機「ハイパードルフィン」を用いた調査航海計画を立案し,JAMSTEC(独立行政法人海洋研究開発機構)により平成18年度7月末実施予定で採択された.
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Research Products
(5 results)