2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ現場遺伝子解析システムの実海域展開と機能の高度化
Project/Area Number |
17106012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤井 輝夫 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 教授 (30251474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 貴富喜 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (20322688)
福場 辰洋 東京大学, 生産技術研究所, 特任准教授 (80401272)
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Keywords | マイクロ流体デバイス / 現場分析装置 / 遺伝子解析 / 深海 / IISA-Gene / PCR / DNA精製 / IISA-ATP |
Research Abstract |
本年度は、前年度に完成させたIISA-Geneプロトタイプをもとに、実海域投入可能な前処理機能付きのマイクロ現場遺伝子解析システムを製作し、性能の評価及び安定性の向上に取り組んだ。評価には平成20年1月に実施された研究航海(NT08-03)において採取したサンプルなどを使用した。製作した装置を平成20年6月に実施された研究航海(NT08-11)において南西諸島沖・鳩間海丘海域にて運用し、水深約1500mの熱水噴出孔近傍にて真性細菌特異的16S rRNAおよびメタン酸化酵素(pMMO)遺伝子の検出を試みた。その結果、pMMOについては検出限界以下であったが、16S rRNA遺伝子については陽性反応を得ることが出来た。以上の結果により、これまで本研究課題において開発に取り組んできた現場型遺伝子解析装置の基本的な性能が実証され、世界初の深海現場遺伝子解析を実現することができた。 また、前年度までにおいて開発・評価を行ったIISA-ATPに関しても、実海域投入が可能なシステムのプロトタイプを構築し、実験室環境においてその評価を行い、十分に実海域で用いることができる感度を達成した。また、IISA-Geneとの機能的な集積化についての机上検討を実施した。 米国モンタレー湾水族館研究所(MBARI)の現場型サンプル処理装置(ESP)と、IISA-Geneの集積化については、平成20年12月実施の研究航海(NT08-24)が採択されたため、その準備のために平成21年度に延期することとした。
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