2005 Fiscal Year Annual Research Report
超高空間分解能周辺電流分布測定によるトカマクプラズマの境界構造の解明
Project/Area Number |
17106013
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
藤田 隆明 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究主幹 (70354602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 健作 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究職 (60360426)
井口 春和 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (40115522)
大山 直幸 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究職 (80354596)
鈴木 隆博 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究職 (60354594)
鎌田 裕 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究主幹 (30354567)
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Keywords | 境界輸送障壁 / 電流分布測定 / 診断用リチウムビーム / ゼーマン偏光分光 / ELM |
Research Abstract |
本研究では、診断用リチウムビームを用いたゼーマン偏光分光システムを開発しJT-60装置に設置して、閉じ込め改善モードにおける境界輸送障壁形成部の詳細な電流分布形状を世界で初めて測定し、境界輸送障壁の構造を明らかにすることを目的とする。 本年度は、診断用リチウムビーム入射装置の設計検討、製作を行った。ビームのパラメータとしては、加速電圧30kV、引き出し電流10mAを目標とする。このような大電流のリチウムビームは世界的にも米国ゼネラルアトミックス社の例があるだけであり、同社を訪問するなど同社の研究者との議論を通じて設計検討を進めた。イオン源としては直径50mmの円盤状の多孔質タングステンにリチウム化合物(βユークリプタイト)を含浸させたものを用いることとした。ビーム軌道の2次元計算を実施して加速、収束用の電極の配置、形状、印加電圧範囲を決定した。設計検討に基づき、イオンガン、中性化セル、ビームラインを製作するとともに各種電源、真空弁等を購入し、ビーム引き出し試験に必要な機器の準備を終了した。また、ゼーマン偏光分光に必要とされる高波長分解能(0.1nm以下)の分光計測法についても検討を行い、ヒーターに組み込んだ固体エタロンで必要な性能を満足できる見通しを得た。 境界輸送障壁において間欠的に発生する不安定性(ELM)に伴うパルス的な熱負荷による核融合炉のダイバータ板の損耗を避けるため、ELM振幅を低減しつつ高い境界輸送障壁圧力を維持する運転手法の確立が必要とされている。世界の主な七つのトカマク装置において得られているそのようなプラズマのデータを収集し、実効的な衝突周波数、ポロイダルベータ値、安全係数等に関する運転領域を明らかにした。また、JT-60プラズマのデータ解析から、高速イオンの損失が少ないほど境界輸送障壁圧力が向上するがELM振幅も大きくなることを示した。
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Research Products
(7 results)