2006 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒パルスラジオリシス法によるナノ時空間反応プロセスの解明
Project/Area Number |
17106014
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田川 精一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (80011203)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古澤 孝弘 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (20251374)
関 修平 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (30273709)
佐伯 昭紀 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (10362625)
|
Keywords | フェムト秒パルスジオリシス / シミュレーション / ナノテクノロジー / 量子ビーム / 化学増幅レジスト / 高分子科学 / 熱化過程 / ナノ空間 |
Research Abstract |
現在の半導体産業はリソグラフィと呼ばれる超微細加工技術に支えられている。このリソグラフィ技術は年々進歩を遂げ2004年にはDRAM量産ラインにおいてでさえ100nmをきる加工が行われている。今から10年後には32nmの加工を1.2mmの精度で行うことが求められており、まさに、"ナノリソグラフィ"と呼ばれる領域に入ろうとしている。現在の100nm近傍の大量生産はKrFあるいはArFエキシマレーザーといった光を露光源として加工が行われているが、近い将来、光による加工は限界に達っすることが予想され、代わって電子ビームや極端紫外光(13.4nm)といった量子ビームが次期露光源として期待されている。過去半世紀にわたって培われたリソグラフィ技術は、当然、今話題のナノテクノロジーを支える加工技術の一つとしても大きく期待されており、量子ビーム利用は大きな転換期を迎えようとしている。実際、これらの量子ビームは波長が短い分、光よりも微細な領域にエネルギーを付与し、化学反応を起こさせることが可能である。しかし、量子ビームがナノ空間内に誘起する反応の詳細は不明のままであり、量子ビームの収束性を生かした将来のビーム利用のための基盤研究は進んでいないのが現状である。 このような背景の下、我々は、量子ビームがナノ空間に誘起する化学反応を、エネルギー付与過程から中間活性種の初期空間分布と空間分布の時間変化を含め解明することにより、将来、ナノ空間に誘起される現象を、ナノリソグラフィ等の新しい量子ビーム利用において有効に使いこなすための基礎過程を確立することを目的として、研究を行った。 平成18年度は、時間分解CCDカメラを利用したシングルショットで過渡吸収スペクトルが測定可能な高分解能パルスラジオリシスシステムの開発に成功すると共に、CaF_2結晶を利用した紫外領域強化型フェムト秒白色光分光システムの開発に成功した。これらのシステムを利用し、イオン化直後の放射線化学反応を解明すると共に、得られた知見をシミュレーションに反映し、イオン化直後から現像までの超微細パターン形成過程の3次元シミュレーションを可能にした。
|
Research Products
(6 results)