2005 Fiscal Year Annual Research Report
神経突起形成のマスター分子Protrudinの発見と機能解析
Project/Area Number |
17107004
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中山 敬一 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80291508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白根 道子 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (90398082)
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Keywords | 神経突起 / 膜輸送 / Protrudin / NGF / Rab11 / ERK / リサイクルエンドソーム / FYVEドメイン |
Research Abstract |
神経突起が伸長する際には、Rab-GTPaseによって制御される小胞輸送により細胞内膜成分が突起部の形質膜へ選択的に輸送され突起での膜表面積が増大することが必要である。われわれは突起への膜輸送に重要な役割を果たしている新規タンパク質protrudinを発見した。様々な細胞にprotrudinを強制発現させると局所的に膜が伸長して突起形成が誘導され、逆に神経細胞においてprotrudinをノックダウンすると神経突起伸長が阻害された。ProtrudinはRabと結合し、かつリサイクルエンドソームと予想される小胞膜に分布していることが確認され、小胞輸送に関与していることが示唆された。また、protrudinはイノシトールリン脂質結合モチーフのFYVEドメインを有しており、形質膜での膜融合に関与していることが示唆された。 神経細胞株PC12において、NGF刺激による持続的なMAPK(ERK)の活性化により神経突起伸長がおこることが知られているが、ERKの活性化による突起伸長の分子機構は不明であった。protrudinはERKが活性化されている時にのみRabと結合することがわかった。 以上の結果より、protrudinはRabおよびイノシトールリン脂質との結合を介して突起の形質膜へのリサイクル小胞輸送を制御していること、及びその活性はNGF刺激に伴うERKの活性化に依存していることが明らかになり、それらのメカニズムによって神経突起伸長を促進させる分子であることがわかった。
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