2006 Fiscal Year Annual Research Report
非病原力遺伝子のサプレッサー活性発現機構の解明と植物病害防除への応用
Project/Area Number |
17108001
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
露無 慎二 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (30090541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 滋康 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (90146233)
原 正和 静岡大学, 農学部, 教授 (10293614)
道羅 英夫 静岡大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (10311705)
平田 久笑 静岡大学, 農学部, 助手 (00432196)
塩尻 信義 静岡大学, 理学部, 教授 (70162568)
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Keywords | 細菌 / 非病原力因子 / 遺伝子 / 病害抵抗性 / ゲノミクス / プロテオミクス / 宿主認識 |
Research Abstract |
Xanthomonas属ばかりでなく、植物病原細菌の広範な非病原力遺伝子がサプレッサー機能を持つ事を発見し、サプレッサーを抑制することによる耐病性付与の基本的戦略が妥当である事を知る事ができた。非病原力遺伝子の翻訳産物は、タイプIII分泌機構で植物細胞内に注入されるが、植物細胞内で結合する分子として、ペクチンメチルエステラーゼ(PME)とRIN4を生体分子間相互作用検出機を用いて見いだした。カンキツにおけるPMEは、前駆体として翻訳された後、ほぼ中央部でプロセッシングを受け、N末端側のPMEインヒビターとC末端側の成熟PMEになる事が知られている。前駆体PME、成熟PME、また、非病原力遺伝Apl1のにN末端、或はC末端に、蛍光色素であるGFP,或はDsRedが融合されたコンストラクト用いて、タバコ葉内で一過的に発現させて、共焦点レーザー顕微鏡下で観察を行った.その結果、Apl1が核局在配列を持っているが、単独で蛍光タンパク質融合Apl1を発現させると、確かに核に移行する。一方、PME前駆体は、植物細胞内ではプロセッシングを受けたものと、成熟PMEの局在のいずれも見られるが、PME前駆体とApl1を同時に発現させると、前駆体PMEのみの局在性しか示さなくなった。このことから、in vivoにおいても、Apl1は、PMEと結合して、インヒビター部分を切り離すプロセッシングをブロックする事が示唆された。また、インヒビターを同一分子として持つか、遊離した状態で持つかによって、PMEの活性をもコントロールすることが考えられた。なお、この系を用いて、カンキツかいよう病菌が持つApl1のホモログApl2,Apl3は、カンキツPMEに結合しない事、また、Apl1は、カンキツ以外のPMEとは結合しない事が分かった。即ち、カンキツかいよう病菌のApl1がカンキツPMEと特異的に結合するが、タバコ、トマトのPMEとはin vivoで結合しない事が分かった.なお、この非病原カグループのサプレッサー活性は、糸状菌のエリシターであるクリプトゲインによって引き起こされるHRをも抑制する事が分かった.このことにより、サプレッサー活性をコントロールする事によって、糸状菌の病害にも体制になりうる可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)