2009 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝的負荷の高い脳血管疾患の遺伝疫学と高リスク者戦略による2次予防
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17109007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小泉 昭夫 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (50124574)
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Keywords | 脳動脈瘤 / もやもや病 / 脳動静脈奇形 / 遺伝疫学 / 感受性遺伝子 / 候補領域 / 連鎖解析 / 相関研究 |
Research Abstract |
本年度は、(1)もやもや病および(2)脳動脈瘤について検討を行った。(1)においては血管閉塞の原因となる。本疾患に係る(1)責任遺伝子、および(2)病理的検討によりPathwaysを同定し、脳動脈硬化の発生基盤を解明することを目的とする。(2)においては、家系を5年以上追跡し、新規の脳動脈瘤あるいはくも膜下出血を観察し、phenotypeをもとに再度連鎖解析を行い、感受性遺伝子の特定を目指す。 もやもや病においては、国内、38家系205名、韓国では1家系5名の家系の参加を得た。また、我が国83名、韓国38名、中国24名、EU29名の参加を得た。合計で387名の参加を得た。昨年までに作成したlibraryを用い、網羅的解析により、候補領域内において感受性遺伝子として新規遺伝子であるmysterinを認めた。機能解析について、Zebra FishでのKnock outによる影響を観察したところ、脈管のガイダンス異常が認められた。脳動脈瘤においては、5年後の追跡を終了し解析を行った。その結果をもとに連鎖解析を行ったところ、17centへの連鎖が確認された。この領域に以前認められたTNFRSF13B領域の5'上流領域にSNPsによる相関解析を行ったところ、MYCDおよびRICH2に有意な相関を認めた。また、家系内の脳動脈瘤およびくも膜下出血の発症について検討するための大規模コホートを観察した。さらに、我が国およびヨーロッパのゲノムワイドの相関研究で報告された、2q,8qおよび9pの遺伝子座について検討し、9pのrs1333040に有意な相関を認めるとともに、従来Caucasianで報告された連鎖不平衡領域とは異なるBlockを見出し、脳動脈瘤に関わる遺伝子多型として、CDKN2BASのイントロン7から15の領域に感受性決定する遺伝子が存在することが判明した。
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Research Products
(12 results)