2005 Fiscal Year Annual Research Report
CD26の自己免疫病、免疫異常症の先端治療法としての分子標的療法の基礎的研究
Project/Area Number |
17109011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森本 幾夫 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30119028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 哲史 東京大学, 医科学研究所, 産学官連携研究員 (00396871)
矢持 忠徳 東京大学, 医科学研究所, 産学官連携研究員 (80306844)
細野 治 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50190210)
河崎 寛 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80280957)
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Keywords | CD26 / Caveolin-1 / メモリーT細胞 / DPPIV酵素 / CD86 / Tollip / IRAK-1 |
Research Abstract |
CD26は110kDaの糖蛋白でヒトメモリーCD4+T細胞に選択的に発現され、細胞外ドメインにDPPIV酵素活性をもつT細胞共刺激分子である。また、CD26陽性T細胞は、非常に遊走能が強く、関節リウマチなどの患者末梢血や惟患関節などの局所炎症部位で増加し、炎症のエフェクターT細胞とも言われている。我々は、従来組み換え可溶性CD26はメモリー抗原である破傷風トキソイド刺激によるヒトT細胞増殖を亢進させ、Caveolin-1はCD26の結合蛋白でCD26とCaveolin-1との相互作用はCaveolin-1のリン酸化及び破傷風トキソイド刺激T細胞増殖を誘導することを報告した。さらに、このメカニズムの一つとして可溶性CD26がメモリー抗原とともに抗原提示細胞(APC)に取込まれ、CD28共刺激分子のリガンドであるAPC上のCD86の発現を亢進させることを明らかにした。しかし、詳しいCD86の発現上昇のメカニズムは不明であった。本研究では、リン酸化Caveolin-1が直接CD86の発現上昇に導く分子機構を解明しようとした。 プロテオミックス解析により、我々はTollip(Toll-interacting protein)及びIRAK-1(interleukin-1 receptor associated serine/threonine kinase 1)が単球でのCaveolin-1相互作用分子であることを同定した。また外から加えたCD26刺激により、TollipとIKAK-1はCaveolin-1から解離し、IRAK-1は細胞質でその後リン酸化され、NF-κBの活性化を介して、CD86の発現上昇をもたらすことを明らかにした。CD26のCaveolin-1への結合は、それ故に、抗原特異的T細胞増殖を誘導する抗原提示細胞の情報伝達経路を調節する。
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Research Products
(6 results)