2006 Fiscal Year Annual Research Report
CD26の自己免疫病、免疫異常症の先端治療法としての分子標的療法の基礎的研究
Project/Area Number |
17109011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森本 幾夫 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30119028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細野 治 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50190210)
矢持 忠徳 東京大学, 医科学研究所, 産学官連携研究員 (80306844)
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Keywords | CD26 / caveolin-1 / メモリーT細胞 / DPPIV酵素 / CD86 / 共刺激リガンド / CARMA-1 |
Research Abstract |
CD26は110kDaの糖蛋白でヒトメモリーCD4+T細胞に発現され、DPPIIV活性をもつ共刺激分子であるが、CD26共刺激リガンドはいまだ明らかにされていない。我々は、組み換え可溶性CD26(sCD26)はメモリー抗原である破傷風トキソイド刺激によるヒトT細胞増殖を亢進させ、caveolin-1はCD26の結合蛋白でCD26との相互作用はcaveolin-1のリン酸化を介してCD86を抗原提示細胞上において発現亢進させることを報告した。 本年はcaveolin-1がCD26の共刺激リガンドであるか検討した。caveolin-1-Fc融合蛋白を用いた実験によりCD26が共沈し、caveolin-1-Fc融合蛋白はCD26 Jurkatトランスフェクタント細胞と結合した。この結合には、caveolin-1のscaffolding domainと呼ばれる82-101番目のアミノ酸残基が必要であった。さらにCD3抗体+caveolin-1-Fc融合蛋白による固層化刺激により、T細胞の増殖及びIL-2産生が認められた。この刺激はCD26抗体によってブロックされたが、CD28抗体ではブロックされなかった。CD26の細胞質ドメインは6アミノ酸と小さいが、このドメインがCD26共刺激に必要か解析した。CD26-CD10キメラ分子を構築してトランスフェクトしたJurkat T細胞株を用いた。CD3抗体とcaveolin-1刺激ではCD26 wild type JurkatはIL-2産生を行ったが、CD26-CD10 Jurkatでは産生されず、しかしCD3 plus PMAでは同等にIL-2産生が生じることから、細胞質ドメインがCD26の共刺激に必要なことが明らかになった。さらにCD26の細胞質ドメインにはCARMA-1分子が結合し、この分子はCD26の細胞質ドメインと相互作用することを同定した。本研究により、caveolin-1がCD26共刺激リガンドであること及び細胞質ドメインにはCARMA-1が会合し、CD26由来共刺激に重要な役割を果たしていることが明らかになった。
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Research Products
(8 results)