2007 Fiscal Year Annual Research Report
CD26の自己免疫病、免疫異常症の先端治療法としての分子標的療法の基礎的研究
Project/Area Number |
17109011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森本 幾夫 The University of Tokyo, 医科学研究所, 教授 (30119028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細野 治 東京大学, 医科学研究所, 助教 (50190210)
大沼 圭 東京大学, 医科学研究所, 助教 (10396872)
矢持 忠徳 東京大学, 医科学研究所, 産学官連携研究員 (80306844)
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Keywords | CD26 / DPPIV酵素 / ヒト化CD26抗体 / 異種GVHDマウス / CD26陽性T細胞 / TIA-1陽性T細胞 / エフェクターT細胞 |
Research Abstract |
CD26分子は110kDaの膜蛋白であり,dipeptidyl peptidase IV (DPPIV)酵素を含むヒトT細胞共刺激分子である。ノックアウトマウスなどで種々の自己免疫病モデルマウスが報告されているが,これらはマウスの免疫系の異常であるためヒト免疫系の異常をマウスに移して,例えばヒト化CD26抗体の有効性やヒト免疫系の異常を解明出来るのはヒトPBLをSCIDマウスに移植して生ずるxeno-GVHDの系が唯一とされ,この系ではヒトT細胞が炎症のエフェクターとされている。この系を用いてCD26陽性T細胞のx-GVHDマウスでの役割及びヒト化CD26抗体の有効性を検討した。ヒトPBLをNOD/SCIDマウスに移植後5週後から脱毛,体重減少などが生じ,中には関節炎を生じているx-GVHDマウスも存在した。この系にヒト化CD26抗体を投与したところ,x-GVHDの臨床症状及び病理学的変化の顕明な改善効果が認められた。抗体投与により,皮膚,肝臓,腸管などでヒトCD26細胞の浸潤が減少し,皮フにおいて細胞障害性T細胞のマーカーであるTIA-1陽性T細胞がコントロール群では著明に浸潤が認められたが,ヒト化抗体投与群ではほとんど認められなかった。さらにx-GVHDマウス肝臓より浸潤ヒトリンパ球を取り出し,FACSでCD26抗体を染色したところ抗体投与群ではコントロール群と比較してCD26陽性T細胞が45%減少し,CD26陽性T細胞がこの系でエフェクターT細胞として働いている可能性が示唆された。またヒト化CD26抗体はx-GVHDマウスで治療効果も示すことが明らかになった。
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Research Products
(7 results)