2009 Fiscal Year Annual Research Report
CD26の自己免疫病、免疫異常症の先端治療法としての分子標的療法の基礎的研究
Project/Area Number |
17109011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森本 幾夫 The University of Tokyo, 医科学研究所, 教授 (30119028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細野 治 東京大学, 医科学研究所, 助教 (50190210)
大沼 圭 東京大学, 医科学研究所, 助教 (10396872)
池田 哲朗 東京大学, 医科学研究所, 特任研究員 (10360489)
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Keywords | CD26 / caveolin-1 / 共刺激分子 / DPPIV / 自己免疫疾患 / CD8T細胞 / Xeno-GVHD / CD28 |
Research Abstract |
CD26分子は110kDaの膜蛋白でDPPIV酵素活性を有し、ヒトCD4+メモリーT細胞に選択的に発現され、T細胞受容体(TCR)からのシグナル伝達を補助的に増強する共刺激分子の一つで、T細胞の活性化、増殖に重要である。一方、代表的な共刺激分子であるCD28分子との異同については今まで詳しい研究はなされていない。さらにCD26分子はCD4T細胞以外にもCD8T細胞にも発現しているが、CD4+T細胞と比して、CD26+CD8+T細胞の活性化機構や機能解析もほとんどされていない。そこで本年はCD26分子のCD8T細胞における機能解析及びCD28共刺激との異同についての研究を行った。 (1)T細胞共刺激の代表であるCD28分子由来共刺激と比して、CD8+T細胞ではCD26共刺激は遅れてその増殖が始まるが最終的には同程度の増殖レベルであった。 (2)TNFα及びINF_γはCD26由来共刺激により、非常に強く産生されたが、一方IL-2やIL-5産生はCD28由来共刺激と比して非常に少なかった。 (3)CD8+T細胞の細胞障害作用の主たるエフェクター分子であるGranzyme Bの発現に関して、CD28共刺激と比較してCD26共刺激は容量異存性に著明に亢進し、機能的にもCD8T細胞はGranzyme B依存性に標的細胞を障害することが観察された。 このようにCD26分子はCD8+T細胞においてもCD28共刺激と異なる共刺激機能を発揮する事が示唆された。さらにCD26+CD8+T細胞のin vivoでの役割を検討するため、ヒトPBLをNOG-SCiDマウスに投与することで確立したXenoGVHDモデルマウスを用いて、in vivoでのこのCD8+T細胞サブセットの機能、及び我々の開発したヒト系CD26抗体を投与して治療的効果についても検討する予定である。
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Research Products
(15 results)