2006 Fiscal Year Annual Research Report
翻訳者を支援するオンライン多言語レファレンス・ツールの構築
Project/Area Number |
17200018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
影浦 峡 東京大学, 大学院教育学研究科, 助教授 (00211152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 照夫 情報・システム研究機構国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 教授 (80124410)
辻 慶太 筑波大学, 大学院図書館情報メディア研究, 助教授 (30333545)
佐藤 理史 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (30205918)
竹内 孔一 岡山大学, 自然科学研究科, 講師 (80311174)
宇津呂 武仁 筑波大学, 大学院システム情報工学研究, 助教授 (90263433)
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Keywords | 翻訳支援システム / 自動専門語彙編集 / 対訳文書抽出 / 翻訳者用統合エディタ / 自動慣用句検索 / 翻訳修正候補提示 |
Research Abstract |
本年度は以下の研究成果を挙げた。 (1)基盤対訳情報源および柔軟な辞書自動検索システムを備えた統合的翻訳者向エディタ環境のプロトタイプ・システムを限定公開し、実際に少数の翻訳者に試験的に利用してもらって、システム機能上・インタフェース上の改善点を洗い出した。実装的な側面からの改善のほか、機能面での主なフィードバックとしては、初心者翻訳者と熟練翻訳者の違いに応じた初心者翻訳者向け修正候補提示機能の必要性、閉じた高品質辞書とウィキペディアといったウェブ上の開かれたレファレンス・ソースを同時に階層化して参照する必要性、一般語・専門語・熟語慣用句に対する語彙的なランク/階層付けの有用性、それに対応した「アラート」型インタフェースの重要性があり、これを翻訳者向けエディタに組み込んだ。これらを含めたユーザからの評価は来年度の課題となる。 (2)専門語および固有名について、開かれた情報資源であるウェブから、動的/バッチ双方により対訳情報を信頼度付きで生成表示するシステム・モジュールを構成し、評価を行った。現在、この部分は統合的翻訳者向けエディタ環境には取り込まれていないが、精度評価の結果、実用に堪えうる精度を示しているため、統合中である。 (3)昨年度に開発した統合的異形を含む熟語・慣用句検索システムの機能を拡張し、系列的異形すなわち語の置換による異形を含む柔軟な熟語・慣用句検索システムを実現した。現在、独立した評価を進めているとともに、統合的翻訳者向けエディタに組み込み、「アラート」型インタフェースを介して利用可能になっている。インタフェースも含めた総合的な評価は、来年度の課題である。 (4)翻訳者の要求に応じた関連既訳文書のリサイクル・システムにより得られた文書対から、段落単位のアラインメントをとるシステムを実装し、評価を行った。 (5)初心者翻訳者と熟練翻訳者の相違を言語表現レベルで定式化するために、翻訳の下訳と完成訳とを比較分析し、英語原文・下訳・完成訳の三つ組みにおける典型的な修正パターンとそのためのトリガー情報の抽出に関する研究を開始した。
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Research Products
(6 results)