Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 照夫 情報・システム研究機構国立情報学研究所, 情報祉会相関研究系, 教授 (80124410)
辻 慶太 筑波大学, 大学院・図書館情報メディア研究科, 准教授 (30333545)
佐藤 理史 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30205918)
竹内 孔一 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 講師 (80311174)
宇津呂 武仁 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (90263433)
|
Research Abstract |
研究開発面では,おおむね当初予定通り研究を進め,大きく二つの点で成果をあげた。第一は,翻訳者向け統合エディタ,インタフェース環境の中で,基本辞書に対する検索方式と表示インタフェースの改善を行い,基本辞書トオンライン・レファレンス情報資源とをシームレスに活用すると同壁に,多様なレファレンス情報源からの情報表示を構造化するために,階層的レファレンス参照インタフェースを構築したこと。二点目は,オンフイン・レファレンス情報資源のさらなる強化で,ウィキペディアの組み込みといった,オンライン上で編集されているレファレンス情報資源を組み込むと同時に,人名15万人分の対訳辞書を自動構築して評価を行い,専門用語対訳モジュールの組み込みおよび専門用語の異形検索の開発を行った。基本辞書の検索については,異形を含むイディオムの自動マッチングに関して,統合的異形だけでなく,置換による異形検索を,WordNetおよび発音辞書を用いて開発し,評価を行っている。また,関連既訳文書のリサイクルと活用については,段落アラインメントの精度をあげ,翻訳単位のリサイクル・データベース化(翻訳メモリ化)に入っている。階層的レファレンス参照インタフェースについては,3名の翻訳者に実際に階層的インタフェースのないものとともに利用してもらい,フィードバックを得るとともにログを分析している。主な観察点は,「開かれた情報源」からの情報活用,階層的なユーザへのアラートの有無の有効性と作業効率,全体的な翻駅作業リズムとレファレンス情報資源参照の様式との関係である。また,初心者翻訳者に向けた支援(ぎこちない翻訳の指摘)に関する研究が,本プロジェクトのサブモジュールとして軌道にのった。なお,今年度はプロトタイプシステムが実際の利用に供することが可能なレベルに安定したため,社会的活用の側面でも新たな展開があった。第一は,世界中のプログを相互に翻訳紹介しているハーバード大学のスピンオフ・プロジェクトであるGlobal Voicesプロジェクトの日本翻訳者とシステム活用可能性について検討を進めていること。2008年夏に札幌で開催予定のiCommonsのiSummitでボフンティア翻駅プロジェクトと翻訳支援環境をめぐるセッションを開催する予定である。もう一つは,別の研究所で進められている翻訳メモリ構築プロジェクトと情報交換が始まったことである。
|