2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞から個体までのリズム遺伝子発現の統合システムの解析
Project/Area Number |
17200024
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岡村 均 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60158813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増渕 悟 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80362771)
江本 憲昭 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30294218)
上山 友子 神戸大学, 大学院医学系研究科, 教室系技術職員 (00397829)
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Keywords | 時計遺伝子 / Per2 / コア・ループ / 視交叉上核 / 副腎皮質ホルモン / 転写 |
Research Abstract |
1)時計遺伝子mPERに結合する蛋白質の質量分析計を用いた分析 時計細胞ではmPerを中心とする時計遺伝子がコア・ループを形成して、リズミックな時を形成する。しかるにmPER蛋白質のフィードバックループを形成の分子機構の詳細はいまだ不明である。哺乳類の中心的な時計蛋白質であるmPERに結合する未知蛋白質をMS/MSで同定した。この蛋白質は転写調節因子であり、脱アセチル化過程に関与していた。 2)レンチウイルスを利用した新規発振リズム制御物質の同定 上記蛋白質のRNAiを作成し、主時計のある視交叉上核(SCN)にレンチウイルスを用いて導入すると、細胞時計が短縮した。 3)視交叉上核での光同調システムの解明とその異常 生体リズムは遺伝子振動が行動や生体機能(ホルモン分泌など)にまで反映する極めてユニークな系である。副腎皮質ホルモンは非常に強い24時間リズムを示すことが知られており、その制御機構が注目される。従来より、副腎皮質ホルモンはストレスに強く反応し、その反応は視床下部・下垂体・副腎軸により制御されると言われている。しかし、サーカディアンリズムを制御するメカニズムは長い間不明であった。今回、我々は、光照射後の遺伝子発現と微細手術を用いて、視交叉上核の時間情報が、中枢の交感神経系のルートを通り、脊髄中間質外側核から副腎神経を経て、副腎皮質の遺伝子転写を変化させ、血中コルチコステロンの分泌を増加させることを明らかにした(Cell Metabolism,2005)。
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Research Products
(6 results)