2007 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病βアミロイドの産生・凝集・除去に関する分子細胞生物学的研究
Project/Area Number |
17200025
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩坪 威 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 教授 (50223409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 唯史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教 (30334337)
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Keywords | アルツハイマー病 / βアミロイド / γセクレターゼ |
Research Abstract |
βアミロイドの産生・凝集・排除にかかわる3っの因子について研究を進めた。γセクレターゼ複合体の構成膜蛋白因子のうち,PEN-2のアミノ末端がAβ42産生に影響を与えることを見出した。さらにγセクレターゼの基質選択性に影響を与える膜タンパク質surf-4を同定し,Notchタンパク質の輸送に与える影響を解明した。スフィンゴシン1リン酸キナーゼ阻害薬がβセクレターゼ活性を抑制することを実証した。活性型γセクレターゼ大量再構成系を効率化し,凍結電子顕微鏡法による解析を行った。プレセニリンの類縁プロテアーゼシグナルペプチドペプチダーゼの精製に成功し,その立体構造を電子顕微鏡解析により解明した。γセクレターゼ活性を制御する低分子化合物のなかで,Aβ42特異的に作用するものを既存構造から見出し,活性の高い誘導体を同定した。CLACについてはトランスジェニックマウスの解析から,アミロイドのコンパクト化に関与することを実証した。またノックアウトマウスにおいて骨格筋系の発達に不可欠の役割を果たすことを発見し,新たな神経機能を示唆した。脳からのAβ排出において,血管内皮細胞における輸送体としてLRP-1が働くことを培養細胞の検討から実証した。一方抗体の「シンク」効果は脳内Aβ総量の低下という形では検出されないこと,むしろ脳内総Aβ量は増大する傾向が見られることから,脳内に進入した抗体による区画化がその効果の本体である可能性を強く示唆した。またγセクレターゼの基質Notchがシナプス形成に果たす役割を発見した。
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