2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17200027
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉村 恵 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (10140641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片渕 俊彦 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (80177401)
古江 秀昌 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (20304884)
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Keywords | in vivoパッチクランプ記録 / EPSC / 痛み応答 / 触応答 / 体性感覚野 / oscillation / pyramidalニューロン / 感覚情報処理 |
Research Abstract |
末梢からの痛みの情報は、脊髄後角で他の非侵害性感覚情報や下行性の痛覚抑制系によって修飾・統合を受けた後、視床を介して大脳皮質の第一次感覚野に運ばれ情報処理をされる。脊髄後角における痛覚情報の処理機構についてはある程度基礎的なデータの蓄積が得られつつあるが、大脳皮質のおける処理機構については未だ明らかではない。そこで、ラット大脳皮質体性感覚野からパッチクランプ記録を行い、皮膚刺激によって誘起されるシナプス応答と病態時における可塑的変化の解析を目的とした。Urethane麻酔したラットの頭皮を切開し、頭蓋に記録用のチェンバーを装置した。歯科用のドリルを用いて頭蓋に約2mmの穴を開け、チェンバーを38度Cに加温したKrebs液で灌流した。硬膜に切開を加えた後、パッチクランプ電極をクモ膜を通して皮質に刺入した。第IV層からV層に存在するpyramidal細胞を対象に記録を行うため、強い陽圧を加え、IV/V層に達したところで、圧を減じ細胞膜にシールを行った後、ホールセルクランプ記録を行った。記録した細胞の同定は電極内にneurobiotinを加え、記録細胞に注入し、記録終了後に染色して細胞の存在部位と形態的特徴から行った。IV/V層の細胞のほとんどはoscillationを示した。このoscillationは固定膜電位を深くするに従って増大したが、その頻度には変化がみられなかった。また、皮質表面からグルタミン酸受容体のCNQXを投与することによって可逆的にブロックされることから外因性のシナプス入力と判断した。この状態で皮膚に鈎付きのピンセットを用いて刺激を加えると、oscillationに重畳してEPSCのburstingが観察された。同じ細胞で触刺激を加えた時にも同様のEPSCが誘起され、振幅や頻度には有意差はみられなかった。今後、oscillationをキャンセルした状態で痛み応答を解析していく。
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