2005 Fiscal Year Annual Research Report
優性遺伝病発症モデルマウスを用いた遺伝要因と環境要因の解析
Project/Area Number |
17200028
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山村 研一 熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (90115197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 穣 熊本大学, 発生医学研究センター, 助手 (40363527)
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Keywords | トランスサイレチン / アミロイドポリニューロパチー / 相同組換え / キメラ / 野生マウス / ES細胞 / 遺伝子破壊マウス |
Research Abstract |
マウスTtr遺伝子破壊マウスの作製のため、DTpA-left arm-lox71-PGK-neo-loxP-pA-lox2272-right armの構造を持つ相同組換えベクターを作製した。これを用いて相同組換えを行いマウストランスサイレチン(mTtr)遺伝子を完全破壊した3つのESクローンを得た。これらを用いてキメラ胚を作製したところ、2つのクローン(KTUP10-28,KTPU10-26)から100%キメラが得られた。そのキメラを交配することにより、生殖系列への伝達を確認することができ、マウスTtr遺伝子の破壊マウスの作製に成功した。 Targeted alleleをヒト野生型TTR遺伝子で置換したESクローンを単離するため、lox66-野生型ヒトTTR cDNA(hVal30)loxP-FRT-PGK-puromycin-FRTの構造を持つ置換ベクターを作製した。これをESクローンに導入し、lox66とlox71間およびloxPとloxP間の両方で組換えがおこり、最初に挿入したPGK-neo部分をhVal30遺伝子で置換したESクローンを単離した。このES細胞を用いてキメラマウスを作製し、そのキメラマウスを交配することによりヒトの野生型遺伝子を持つマウス系統を樹立した。Targeted alleleを、ヒト患者でよく見られる30番目のValがMetで置換したESクローンを単離するため、lox66-野生型ヒトTTR cDNA(Val30Met)-loxP-FRT-PGK-puromycin-FRTの構造を持つ置換ベクターを作製した。 MSM/Msマウスは、我が国独自の野生マウス由来の近交系であり、このマウスについてマイクロサテライトプローブ、SNPs、BACクローンの整備がなされている。そこで、MSM/MsマウスからのES細胞の樹立を試みたところ、3ラインが樹立でき、そのうちの一つについては100%キメラを効率よく作製できることが分かった。
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