2008 Fiscal Year Annual Research Report
木材遺体・年輪年代学・植物遺体DNAの新たな考古植物学研究拠点の形成と展開
Project/Area Number |
17200050
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 三男 Tohoku University, 学術資源研究公開センター, 教授 (80111483)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 幹成 東北大学, 学術資源研究公開センター, 助教 (00361064)
米倉 浩司 東北大学, 学術資源研究公開センター, 助教 (00302084)
|
Keywords | 考古植物学 / DNA解析 / 年輪年代学 / 樹種同定 / ウルシ / ヒバ / スギ / データベース |
Research Abstract |
1) 中国山東省におけるウルシの分布調査を行い、次のことが判明した。 山東省内の調査の結果、ごく希に漆が残存しており、また、樹液採取用に最近栽培したものの売り渡しの目処が無く、そのまま放棄されたものなどがあった。 2) これまでの日本国内16カ所、中国の湖北、河北、浙江、遼寧の4省、それに韓国から収集したウルシに加え、新たに山東省の試料を加えて葉緑体DNAのtrnL、trnL-F領域について塩基配列解析を行った。これまでの結果はウルシは単系統で、その中に3つのクレイド(河北と湖北のクレイド、浙江のクレイド、遼寧、韓国、日本のクレイド)があるというものだったが、山東省の4個体のうち、2個体は遼寧、韓国、日本のクレイドに、残り2個体は浙江省のクレイドに含まれた。その結果から、日本のものが山東省の集団に由来するかの末井が指摘された。 3) 遺跡出土材データベースについてファイル形式の統一を行い、県別データベースを完成させた。これの公開に向けての準備を継続しているが、かなりのボリュームで含まれている未公表データの扱いについて、試料提供側の教育委員会等との調整を行っている段階である。 4) 青森県埋蔵文化財センター、秋田県埋蔵文化財調査事業団等から提供を受けたヒバ、スギなどの遺跡出土材について年輪解析を進めた.
|