Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 晃史 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (10291478)
今泉 俊文 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50117694)
隈元 崇 岡山大学, 理学部, 助教授 (60285096)
堤 浩之 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60284428)
渡辺 満久 東洋大学, 社会学部, 教授 (30222409)
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Research Abstract |
本研究は,従来の活断層研究により積み重ねられてきた断層の分布や構造に関する静的な断層モデルに対して,地震時の活断層の挙動に関する動的モデルを構築することを目的とする.具体的には,活断層に沿った各種の変位量分布を詳細に検討し,地震発生時における地震断層の変位量分布を推定することによって,将来発生する地震の「地震像」を従来にまして詳細かつ具体的に解明する目指し研究を実施し,以下のような成果を得た. 1.詳細な断層変位地形の把握:本年度研究対象とした横手盆地東縁活断層系を対象に詳細な写真判読を行った.その結果,これまで二つの活動セグメントに区分されていた生保内盆地東縁の活断層とた横手盆地東縁の活断層が連続する可能性があること,横手盆地東縁活断層系南部に連続的に発達するとされる活断層は,別個に活動する活断層セグメントによって構成されることが明らかとなった. 2.単位変位量・累積変位量・変位速度の分布を解明:政府地震調査委員会が地震危険度評価の対象としたいわゆる98活断層帯について,既存の研究資成果や「活断層詳細デジタルマップ」の資料を基にデータベースを構築した. 3.断層変位量計測の新たな手法の開発:数m以下の断層変位を認定するため,阿寺断層に沿って典型的に断層変位地形が発達する地域において,空中レーザープロファイルによる詳細(50cm間隔)計測を行った.現在,計測結果を調整中であるが,新たな手法の開発につながると期待される.また,GPS地形測量システムを用いて,千屋断層,長者ヶ原断層,鹿島断層などで断層変位量を計測し,GPSの固定局と移動局を組み合わせて厳密な変位量を効率的に計測する手法の確立を目指した. 4.変位量データベースの構築:断層変位地形と変位量など本研究の成果を基に,地震の予測精度向上のためにどのようなデータベースを構築すべきかの検討を開始した.
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