2006 Fiscal Year Annual Research Report
ラドンを用いた複雑地形を含む安定大気境界層中の物質輸送の研究
Project/Area Number |
17201009
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
近藤 裕昭 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 研究グループ長 (60357051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 昌平 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 主任研究員 (30222433)
三枝 信子 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 主任研究員 (00251017)
飯塚 悟 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 研究員 (40356407)
石島 健太郎 地球環境フロンティア研究センター, 大気組成変動予測研究プログラム, 研究員 (90399494)
松枝 秀和 気象庁気象研究所, 地球化学研究部, 室長 (60354552)
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Keywords | ラドン / 土壌中の拡散係数 / CO2フラックス / 複雑地形 / 安定大気 / 数値解析 / RANS / LES |
Research Abstract |
1.高精度・高時間分解能のラドン計開発のために必要な半減期3.10分のPo-218のピークの分離に成功した。検出限界を向上させるため、空気捕集容器内部の研磨や容器の材質、容量について再度検討した。これらの改善によりラドン測定について従来の機器に比べて時間分解能で1/2以下、検出限界で1/2以下にすることに成功し、当初の目標を達成することができた。また名古屋大学で装置の校正を行った。 2.2006年11月13日から2週間、開発したラドン計と気象研鉄塔を用いて2高度から空気を引き込み、気象データと併せて濃度計測を行った。同時に気象研構内および産総研構内でラドン放出量と、放出量と密接な関係を持つ土壌水分量を計測した。また既存のCO2測定装置を用いてCO2濃度の鉛直分布も計測した。またマイクロ波放射計を用いて地上600mまでの気温分布を測定し、逆転層高度を計測した。期間中1日を除きほぼ毎日150-300mの接地逆転層が出現した。地上付近のラドン濃度は風速に概ね逆比例し、ラドンが無限面源であることを仮定すると、風速に比例する上空輸送があることが示唆された。また岐阜県高山の産総研サイトに比較して気象研構内では地中からのラドンフラックスは小さいことがわかった。 3.昨年度高山の谷筋に設置した2本目のタワーで気象とCO2濃度プロファイルの測定を開始した。谷筋タワーのCO2濃度の日変化の振幅は稜線上にある既存のタワーでの観測に比べて大きかったが解析の結果、これは稜線上タワーの日中の濃度が自由大気とほぼ同じ濃度になり、森林の光合成の影響をあまり受けていないためであることがわかった。また日没後すぐにキャノピー内に斜面下降流が発生し、CO2の高濃度はごく地表面付近に存在することがわかった。 4.数値モデル(RANSモデル)に森林キャノピーを導入した。
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