2006 Fiscal Year Annual Research Report
電解及び光触媒機能を有するナノセラミック膜による有害有機物の新分離・分解法の開発
Project/Area Number |
17201019
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
尾崎 博明 大阪産業大学, 工学部, 教授 (40135520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 修 大阪産業大学, 工学部, 教授 (10140203)
菅原 正孝 大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (60026119)
濱崎 竜英 大阪産業大学, 人間環境学部, 准教授 (50340617)
林 新太郎 大阪産業大学, 工学部, 助手 (60268274)
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Keywords | ナノセラミック膜 / 有害有機物 / 電解 / 光触媒 / 吸着 / 医薬品 / ろ過型電気分解装置 / 2,4-D |
Research Abstract |
本研究では、電解機能あるいは光触媒機能をもつナノセラミック材料を用いる有害物質分解について、主に以下の2項目に関する検討を行った。 (1)TiCを主成分とする導電性セラミック多孔質体を電極とする新規な電気分解法について基礎的な検討を行い、医薬品分解に適用するとともに、同電極を用いる「ろ過型電気分解装置」を世界で初めて開発した。まず、開発したTiC電極や従来型の白金電極等を用いてフェノールの分解性について比較検討し、TiC電極は電極としての十分な性能を有するとともに、さらに溶質の吸着能があることを定量的に明らかにした。特にイリジウムを分散させたTiC/Ir電極は、より分解効率が高いことを見出した。この電極を用いて水中の医薬品類10種について分解実験を行ったところ、7種については電極への吸着分を含めて97%以上の除去率が得られたが、3種については10〜50%にとどまることが判明した。これを基礎として、上記の電極が有する吸着能を活用し、微量有機物の吸着による濃縮と電気分解とを同時に行う「ろ過型電気分解装置」を開発し、その諸特性を明らかにするとともに、上記の医薬品の分解を試みた。その結果、電解槽での除去率が低かった上記3種の医薬品についても除去率が向上し、同装置は医薬品のような難分解性物質を電極による吸着と分解作用により極めて効率的に除去し得ることを明らかにした。また、この分解には電気分解により生成する次亜塩素酸による作用だけでなく、電極による直接分解も関与していることを示す結果を得た。 (2)繊維表面に均一にアナターゼ型のナノチタニア結晶を配した高強度光触媒繊維による2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)の光分解について研究し、その有効性を示すとともに、脱塩素化、ベンゼン環の開環、遊離したフェノキシ基の酸化を含む2,4-Dの二酸化炭素までの分解機構を明らかにした。
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Research Products
(6 results)