2006 Fiscal Year Annual Research Report
ポリオールプロセスを用いた多目的用均一粒径ナノ粒子合成技術の確立
Project/Area Number |
17201021
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
B. JEYADEVAN 東北大学, 大学院環境科学研究科, 教授 (80261593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 匡清 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (80250702)
篠田 弘造 東北大学, 多元物質科学研究所, 講師 (10311549)
佐藤 義倫 東北大学, 大学院環境科学研究科, 助手 (30374995)
田路 和幸 東北大学, 大学院環境科学研究科, 教授 (10175474)
松本 高利 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (50343041)
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Keywords | ポリオールプロセス / 金属ナノ粒子 / 合金ナノ粒子 / 磁性ナノ粒子 / 組成制御 / サイズ制御 / 化学合成 / ソフト磁性粒子 |
Research Abstract |
本年度は、ポリオールプロセスを用いた金属および合金ナノ粒子の合成反応における、ポリオールおよび金属塩の変化を、近赤外線分光法、X線回折解析、走査型顕微鏡、透過型顕微鏡を用いモニターし、ナノ粒子反応過程の詳細な検討を試みた。その結果、コバルト金属塩を用いた一連の実験において、溶媒中でのコバルト錯体変化、中間生成物であるアルコキシドの構造解析等、還元反応の進行過程の解明に成功した。更に、反応初期段階の理解を深めるため、分子軌道法に基づいた理論的計算手法を行い、錯体種に依存した反応性の評価を行った。このような結果を総合的に評価することで、様々な金属および合金ナノ粒子のデザイン・シンセシスを行うために必要な知見を得た。現在は更に理解を深めるため、各過程で生成する中間生成物の微小構造解析を行っている。 新規非水溶液系プロセスを用いて、貴金属、遷移金属単分散ナノ粒子の合成を試みた。実際には、溶媒中での錯体安定度計算、粒子合成実験、粒子の分散・凝集の制御、自己組織化を行った。その結果、本研究課題のターゲットの1つである、10nm程度の白金ナノ粒子の合成に成功した。得られた知見を基に、低温での鉄白金合金ナノ粒子の合成を行った。その結果は、'ISHR and ICSTR'国際会議にて発表し、ポスター賞を獲得した。 また、ポリオールプロセスを用いた鉄コバルト合金ナノ粒子の合成に成功した。得られた鉄コバルト合金ナノ粒子を対象として、その結晶格子中における各元素配列のorder/disorder状態、粒子内部の元素分布の均一性を評価するため、Spring-8 BL15XUを利用した粉末X線解析、X線小角散乱実験を行った。FeのX線原子散乱因子における異常分散効果を利用することで、通常の実験では観測不可能なFeCo超格子結晶構造形成の有無の判定、粒子内部でのFe元素分布の均一性を評価した。組成が等しいas-synthesized試料と、異なる温度条件で熱処理を行った試料に対して粉末X線解析を行い、組成の異なる試料に対して小角散乱測定を行った。その結果、as-synthesized試料はdisordered-bcc(A2)構造であり、熱処理に伴うordered-bcc(B2)構造への転移を確認した。また、as-synthesized試料の粒子内部でのFeおよびCo元素分布は均一であることが判明した。今後更なる機能性粒子の合成を試みる。
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Research Products
(7 results)