2006 Fiscal Year Annual Research Report
単一原子の個数と位置が制御された新しい半導体の創製とその応用
Project/Area Number |
17201026
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大泊 巌 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30063720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀越 佳治 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60287985)
品田 賢宏 早稲田大学, 生命医療工学研究所, 客員助教授(専任扱い) (30329099)
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Keywords | シングルイオン注入法 / 半導体 / 不純物原子 / 半導体デバイス / MOSFET / 閾値電圧 |
Research Abstract |
・微小電流変化検出型単一イオン入射検出法の開発 先端半導体デバイスでは、不純物原子数の統計的ゆらぎが顕在化し、素子特性のばらつきが生じるため、原子1個単位での不純物制御技術が求められる。従来、単一イオン注入法では注入の際にターゲットから放出される2次電子によりイオン入射を確認していたが、単一イオン検出率は90%に止まっていた。検出率100%を実現するために、単一イオン入射時に半導体電気的特性の変化量を検出する新手法を開発した。一定電流を流した状態の抵抗体に単一イオンを注入したところ、1回の単一イオンの入射に対応して確実に階段状の電流値変化を検出し、検出率100%を初めて実現した。 ・Nanowire FETsにおける電気伝導特性のチャネル方位依存性評価 ゲート駆動力向上が期待されるnanowire FETについて、電気伝導度の細線幅ならびにチャネル方向依存性を調査した。チャネルの方向が{100}の場合、電気伝導度の平均に顕著な差は認められなかったが、チャネルの方向が{110}の場合、細線幅が細いほど増加することが判明した。これは細線周辺の酸化膜からチャネル部が歪を受け、{110}方向における電子の移動度が向上した事に起因するものと考えられる。 ・高濃度P:Si系における金属絶縁体転移評価テスト試料の作製 リン原子をドープしたシリコンの電気伝導度が10^18cm^-3台の比較的高濃度領域において、ある臨界原子濃度で絶縁体相から金属相に転移する金属'絶縁体転移現象をシングルイオン注入法によって解明するために、10^18〜10^19cm^-3台の不純物濃度を有するテスト試料の設計、作製を開始した。今後、臨界濃度付近での電気伝導度に劇的な変化を引き起こす最後のドーパント原子1個の役割に迫る。
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Research Products
(22 results)