2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17201030
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
下山 勲 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (60154332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 潔 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教授 (10282675)
星野 一憲 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 講師 (30361546)
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Keywords | バクテリオロドプシン / 膜タンパク / 受光素子 / Cytop / 微分形検出 |
Research Abstract |
平成17年度は、バクテリオロドプシン(bR)のパターニング手法と、膜タンパクの機能を正しく発現させるための分子の配向制御手法の検討を行った。またこれらの手法の評価を行うために、受光素子を作成した。さらにデバイス化するための基礎実験として、柔軟デバイスの作成方法、大面積のパターニング手法の検討を行った。 常温のKC1溶液中にbRを拡散させ、静電吸着によりパターニングする手法を開発した。透明なITOでセンシング電極および配線層を形成し、その上に疎水性であるCytopを用いてマスクを形成する。bRは疎水部には吸着しないため、センシング電極のみに成膜できる。またbR分子の配向を制御するため、分子を分極させ、電界により配向を揃える手法を開発した。bR溶液のpH制御により、分子が負に帯電しかつ分極を起こす。この状態で静電界を加え、配向を揃えたまま、正電極にbR分子を集めることができた。以上の手法により、間隔70[μm]に設定した電極を用いて、30[s]、3.9[V]の電圧を印加することで、電極上にきれいなbR膜を形成できることを確認した。またCytopでマスクした部分にはbRの吸着はなく、選択的なパターニングがされていた。 開発したパターニング手法を用いて、受光素子を試作した。8x8のマトリクス状の受光素子で、bR膜の形成されたITO電極と、Au膜の対抗電極の間に、KC1溶液が挟まれた構造である。この受光素子を用いて、濃淡の中間値も含めた画像の取得が可能であることを確認した。bRは入射光変化に応じた電荷を発生する微分形検出であり、試作した受光素子の光に対する感度は、おおよそ0.9[nC/mW]であった。 柔軟デバイスの作成方法として、柔軟なPDMSと微小カンチレバーを用いたフレキシブルな触覚センサを試作した。また大面積のパターニング手法として、基板の位置ずれを画像センサにより検出し、射出方向の修正ができるインクジェット印刷機構を試作した。
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