2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17201030
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
下山 勲 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 教授 (60154332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 潔 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助教授 (10282675)
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Keywords | バクテリオロドプシン / 膜タンパク / 受光素子 / Cytop / 微分形検出 / PEDOT : PSS / ディスプレイ |
Research Abstract |
平成18年度は、17年度に引き続き膜たんぱく質を用いた光センサアレイの作成方法を検討した。今年度は、特にセンサアレイを機械的に柔軟なものにするため、たんぱく質の応答検出電極として有機材料PEDOT : PSSの使用を検討した。まず、感光性膜たんぱく質の電気光応答をPEDOT : PSSによって検出できることを確認した。さらに、実際にプラスチックフィルム上に受光素子を作成することで、機械的な柔軟性を評価した。最後に、たんぱく質と有機材料は特長として、大面積化が容易であるので、提案したPEDOT : PSSをもちいて、光入カデバイスやディスプレイを作成した。 PEDOT : PSSをプラスチック上に塗布し、その上に感光性たんぱく質を成膜した受光素子を作成した。PEDOT : PSSはイオン濃度によって電位を変化させるイオン反応性ポリマーである。感光性たんぱく質は、光刺激によってプロトンの濃度を変化させる。このプロトン濃度の変化をPEDOT : PSSによって検出できる。このことを、作成した受光素子に光刺激を行い確認した。検出された電流は、光量の変化に対して微分型の応答を示した。 また、PEDOT : PSSは、イオン濃度によって電位が変化するだけでなく、電圧印加によって色が変わるという特性も持つ。このことを用いて、プラスチック上にディスプレイを作成した。さらに、デバイスが機械的に柔軟であることを用いて、蛇腹上にディスプレイを曲げ、何枚ものディスプレイを奥行き方向に並べることで3次元ディスプレイを作成した。 提案した感光性たんぱく質とPEDOT : PSSによる素子を用いて、ディスプレイなどに貼って用いる光入力デバイスを試作した。たんぱく質とPEDOT : PSSをパリレンを用いた機械的リフトオフ法を用いて加工し、マトリクス上の受光素子を構築した。このデバイスを用いて、線、文字などが入力できることを確認した。
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