2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17201030
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
下山 勲 The University of Tokyo, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (60154332)
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Keywords | バクテリオロドプシン / 膜タンパク / 受光素子 / Cytop / PEDOT:PSS / マイクロコイル |
Research Abstract |
平成19年度は,17,18年度に引き続き膜たんぱく質を用いた光センサアレイの作成を行った。特にセンサアレイを機械的に柔軟なものにするため,感光性膜たんぱく質の応答検出電極として有機材料PEDOT:PSSを使用した。まず,この材料の機械的柔軟性を評価した。具体的には,プラスチック基板上にPEDOT:PSSをパターニングしたひずみゲージを作成した。このひずみゲージの曲げ試験を行い,半径1cmという大きな局率の曲げに,1000回まで耐えることを確認した。また,さらに高い柔軟性を持たせるために,マイクロコイル構造の布にPEDOT:PSSに塗布したひずみゲージを作成した。コイル構造は,構造材料そのものが伸縮するのではなく,コイルがほどける。そのため,125%のひずみまで伸びるという高い柔軟性が示された。これらの高い機械的強度を用いて,フレキシブルタッチパネルや機械に伸びるディスプレイを試作した。さらに,感光性膜たんぱく質の電気光応答がPEDOT:PSSによって検出できるかを確認した。検出された光電流は,光量の変化に対して微分型の応答を示した。この結果を用いて,ディスプレイなどに貼って用いる感光性膜たんぱく質とPEDOT:PSSからなる光入力デバイスを試作した。たんぱく質とPEDOT:PSSをパリレンによる機械的リフトオフ法により加工した。受光素子をマトリクス状に構築した。このデバイスを用いて,線,文字などが入力できることを確認した。今後は,プラスチック上やマイクロコイル構造を持っ布上に,感光性たんぱく質とPEDOT:PSSからなる光デバイスを作成し,高い機械的柔軟性を持つデバイスの実現を目指す。
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