2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ・ナノシステムを用いた生体分子の1分子機能解析と分子間相互作用解析
Project/Area Number |
17201031
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
船津 高志 東京大学, 大学院薬学系研究科, 教授 (00190124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三田 智文 東京大学, 大学院薬学系研究科, 助教授 (30187306)
上野 太郎 東京大学, 大学院薬学系研究科, 助手 (80376590)
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Keywords | セルソーター / 1分子計測 / μTAS |
Research Abstract |
細胞内の生命活動を担う生体分子は、単一分子で機能を発揮するとは限らず、オルガネラなどの超分子複合体を構成して初めて機能を発揮する場合もある。このため、生体分子やオルガネラを物理的に高純度に単離・精製する技術の開発が必要とされている。本研究では、微小流路をチップ上に作製し、蛍光標識した生体試料を蛍光顕微鏡にて高感度に検出し、温度感受性ハイドロゲルをレーザー局所加熱にて制御し、生体試料溶液を高精度に流し分ける技術の開発を行った。まず、微細加工技術によりシリコン樹脂製のチップを作製し、この内部に幅10μm、深さ5μmの試料導入流路と、それを挟む2本のキャリア溶液用流路(幅20μm、深さ20μm)を作製した。3本の流路は合流した後、T型の2本の回収用と廃棄用流路に分岐する。試料溶液に昇温型温度感受性ハイドロゲルであるMebiol Gelを添加した。MGは、室温で流動性の高いゾル状態であるが、36℃を境に粘弾性の高いゲル状態に可逆的に転移する性質を持っている。微小流路中を流れる試料の観察と蛍光検出、ならびに赤外レーザーの照射は倒立顕微鏡の同一の対物レンズを通して行った。水の吸収波長である1480nmの赤外レーザーを照射して溶液の局所加熱を行った。回収側の流路の断面積を小さくすることにより抵抗を高くしてあり、加熱しない状態では試料は廃棄流路に流れ込むように調整してある。流路分岐部の40μm上流における試料からの蛍光を光電子増倍管によって測定し、蛍光性試料を検出すると廃棄側流路を熱して流路抵抗を高くして試料を回収流路に取り込むようにした。検出領域において、試料はキャリア溶液によって幅6μm、深さ3μmに挟み込まれる。その結果、高開口数の対物レンズを用いた高感度検出が可能になり量子ドットで標識した生体分子を分離・回収することに成功した。
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Research Products
(6 results)