2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ・ナノシステムを用いた生体分子の1分子機能解析と分子間相互作用解析
Project/Area Number |
17201031
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
船津 高志 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 教授 (00190124)
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Keywords | 1分子計測 / ナノバイオ / マイクロ・ナノデバイス / μTAS / 生物物理 |
Research Abstract |
1.マイクロシステムによる生体分子の分離・回収 生体分子や超分子複合体などの微小な生体物質をガラスチップ内の微小流路に流し、個々の標的分子の蛍光を高感度に検出し、分離・回収できる生体分子ソークーを開発した。まず、試料を含む溶液に、37℃を境に高温でゲル、低温でゾルと可逆的な相転移を起こす熱感受性ハイドロゲル(メビオールゲル)を加え、生体試料とともに微小流路に流した。単離すべき生体物質を蛍光色素で標識しておき、それらが発する蛍光を光電子増倍管によって検出した。赤外レーザーの局所加熱によって流路にゲルによる栓(ゲルバルブ)を形成させ、ミリ秒の時間分解能で流れを制御した。高速で高感度な分離を行うため、試料溶液を搬送液で挟み込んでシース流とし、試料が通過する範囲を幅3μm、深さ2μm以内とすることにより高開口数の対物レンズを用いて量子ドットの分離を可能にした。さらに、8個の分子ソ一夕ーを並列処理できるように集積化し、分離効率を向上させることに成功した。 2.ナノ開口によるタンパク質問相互作用のイメージング 生体分子の相互作用(結合・解離)をナノ開口による1分子イメージング法を用いて解析した。石英ガラス基板に金属薄膜を約100nm蒸着し、これに100nmの開口を開け、レーザー光を照射した。開口の付近に発生するエバネッセント場は、全反射によって発生する場合よりも励起領域が狭いため、蛍光標識した生体物質が溶液中に数μM存在しても1分子蛍光イメージングできた。ナノ開口に蛍光標識したシャベロニンGroELを.固定し、溶液中に別の蛍光色素で標識したGroESを加えることにより結合と解離をイメージングすることに成功した。
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