2006 Fiscal Year Annual Research Report
GPSブイを用いた津波・波浪防災システムの総合的研究
Project/Area Number |
17201038
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 照之 The University of Tokyo, 地震研究所, 教授 (80134633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 幸博 高知工業高等専門学校, 教授 (30442479)
越村 俊一 東北大院, 工学研究科, 准教授 (50360847)
永井 紀彦 東京大学, 港湾空港技術研究所, 部長 (00359233)
清水 勝義 東京大学, 港湾空港技術研究所, 室長 (80392984)
富田 孝史 東京大学, 港湾空港技術研究所, 上席研究官 (20242836)
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Keywords | GPS / 津波 / キネマティックGPS / 波浪 / ナウファス |
Research Abstract |
本研究の目的は室戸沖に設置しているGPS津波計のデータを活用し,津波防災を軸としたGPSブイの実利用のためのシステムの構築を図ることである。しかしながら、GPS津波計が平成18年3月に大型フェリーによる衝突被害を受けて沈没するに至った。この事態を受けて、当初平成18年度に再設置して研究を遂行する予定であったが,各種調整に時間を要し、平成19年度の再設置予定となった。これに伴い、研究計画の一部となる海面下の構造劣化や海洋生物の付着などの状況の点検調査と、新たに設置した長距離基線陸上基地局を用いた測位法の検証実験を平成19年度に繰越して実施した。 (1)海面下の構造劣化や海洋生物の付着などの状況の点検調査 GPS津波計の海中部分のうち,とりわけブイの係留環と鋼製チェーンの係留索の取合部の点検が重要である。これまでの実験から摩耗代1mm/年を見込んでいるが、3点係留から1点係留への変更に伴う影響などを実地に確認する必要がある。潮流が早く、鮫の出没する海域で作業可能な計測システムと要領を策定し、再設置用に製作したブイと係留策の設置前の基礎データの収集を行った。 (2)長距離基線陸上基地局を用いた測位法の検証実験 GPS津波計の高機能化のためには、海岸からより沖合に出す必要がある。このために、本研究の一環として開発したRTKソフトでその適用拡大を検討している。このソフトを基線長10km、20km、80kmで稼働させ、チューニングしつつ適用していく実験システムが必要であり、ブイ設置地点から80kmの距離にある高知高専に基準局を設置するとともに、室戸岬測候所及び室戸青少年自然の家に設置した基準教データを高知高専に収集して解析するシステムを構築した。自作のRTKソフトの問題点を抽出するために大阪と高知間の200kmでこのシステムを用いて検討を進め、多くの改良を実施した。
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