Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩熊 幸男 福井県立大学, 学術教養センター, 教授 (10135600)
川添 信介 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (90177692)
山内 志朗 慶応義塾大学, 文学部, 教授 (30210321)
神崎 繁 専修大学, 文学部, 教授 (20153025)
上枝 美典 福岡大学, 人文学部, 教授 (90221796)
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Research Abstract |
1.各グループ毎の本年度の目標に沿って,各自の研究を進めた。とくに,スコラ哲学とアリストテレス哲学の関わり(川添),トマス・アクィナスの思想(加藤),ラテン・アヴェロイス主義およびイスラム思想の普遍論争への関わり(山内),魂論の古代から日本に伝播するに至る事情の解明(神崎),および,本研究のテーマにかかわる「言葉と物」に関する古代〜中世の概観(清水)が成果を公表するにいたった。ビュリダンの「ソフィスマ」テキストの翻訳と注解(清水および協力者小笠原)は完成間近となっている。 2.研究会を3回開催し,(1)言語論が神学と交わる領域における存在論のあり方,および(2)11世紀末から12世紀初めにかけての普遍論争(と呼ばれてきた事態)についての歴史的および分析的アプローチについて共同検討した。ことに(2)については中世哲学会の機会に行った研究会および,昨年度の研究事業(繰越分)として行った国際研究集会に併せて,今年度研究事業として行った研究会において(後者では海外の研究者をも交えて)討議し,アベラールがシャンポーのギョームに論争を仕掛ける前には,普遍の存在性格をめぐる議論は見当たらないという写本資料の調査結果(岩熊)と,現在ある資料の分析から,普遍論争はアンセルムス時代に遡源するという理解(清水)を,山内等の参加を得てすりあわせた。 3.海外研究協力者CharlesBurnett教授(ロンドンWarburg研究所)を招へいして,研究会を開催し,西欧中世における老と死の理解に関する同氏の報告を受けて討論をし,またこの機会に平成17年度開催の国際中世哲学会年次コロキウムの成果をまとめる書籍に収める研究代表者,分担者の英文論文について,同氏からのアドバイスを得,研究成果を仕上げた。
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