2007 Fiscal Year Annual Research Report
室町期成立番外謡本の網羅的調査・系統分類と『謡曲大成』の作成
Project/Area Number |
17202006
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
竹本 幹夫 Waseda University, 文学学術院, 教授 (90138181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 節子 神戸女子大学, 文学部, 教授 (90211797)
落合 博志 国文学研究資料館, 文学形成研究系, 助教授 (50224259)
小林 健二 大谷女子大学, 文学部, 教授 (70141992)
三宅 晶子 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (20181993)
山中 玲子 法政大学, 能楽研究所, 教授 (60240058)
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Keywords | 謡本 / 能楽 / 番外曲 / 能楽研究所 / 演劇博物館 / デジタル化資料 / 謡曲大成 / 国文学研究資料館 |
Research Abstract |
本年度は、これまで入力したア行を中心とする謡曲本文の校正作業と、未調査謡本の所在調査を行った。またカ行以降の追加入力と、サ行の割り当てを行った。さらに江戸初期以前の書写とおぼしき謡本古写本を購入した。ア行の校正作業には、大学院生を中心とする学生アルバイトを委嘱したが、多くはボランティアによる研究協力の形で行うことが出来た。分担者・研究協力者が全国に散在するため、相互の連絡が取りにくく、各地の研究者からの謡本資料コピーの要望がしばしばあったが、代表者が所属する早稲田大学以外でのアルバイトが認められないという学内ルールがあるため、それらの要求には応じられず、結果的に各研究分担者・協力者の東京出張が増加した。今年度の主たる出張先としては、函館市・仙台市・新潟市・飯田市などであったが、これらでは謡本の写真による収集を行った。また最も出張数の多い東京では、地方の研究者が能楽研究所の資料を調査するために訪問したものが中心である。謡本の伝本数が極めて多く、また調査によってしばしば調査対象伝本が増加するため、調査対象曲目が当初予想を大幅に下回る虞が出て来ている。これに対応するため、ポスドククラスの若手研究者を中心に作業協力メンバーの増員を行い、謡本考定作業に従事してもらっている。当初の凡例では、写本を中心とした謡本調査ということで限定していたが、作品によっては版本を参照せざるを得ない場合があり、写本用の凡例を援用して入力作業を進めている。作業自体の進捗は若手研究者の協力によってかなり進んだが、それと共に、本作業が若手研究者の育成・参集に大きな威力を発揮しており、それ自体が能楽研究分野での人材育成の進展という側面からは、一つの成果とも言えよう。なお本研究は謡本翻刻を成果とするため、直接関連する論文等を業績として申告していないことをお断りする。
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