2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17202007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田口 紀子 京都大学, 文学研究科, 教授 (60201604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 眞 京都大学, 文学研究科, 助教授 (10238909)
永盛 克也 京都大学, 文学研究科, 助教授 (10324716)
稲垣 直樹 京都大学, 人間環境学研究科, 教授 (20151574)
和田 章男 大阪大学, 文学研究科, 教授 (00191817)
松澤 和宏 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (30219422)
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Keywords | 生成研究 / 草稿研究 / プルースト / フロベール / ロマン主義 |
Research Abstract |
当初の研究代表者・吉田城が平成17年6月に逝去したため、分担者であった田口紀子が代表者となり、当初の計画通り研究を進めている。 まず9月に第1回の研究会を開き、今後の研究組織の打ち合わせを行い、当初の吉田案に基づいて共同研究を行うことで合意した。あわせて松澤がフロベール、和田章男がプルーストの草稿研究の現状とその問題点を報告し、異なる作家研究における草稿研究の動向についての共通認識を班員の間で共有した。 田口はこのような作家ごとに異なる生成研究の現状をふまえ、この共同研究全体の具体的方法論の可能性を検討した。増田はルソーやディドロの作品の執筆過程を中心に、作品の生まれた時代状況、影響関係、間テクスト性について検討を行った。永盛は17世紀の劇作家が古典作品からどのように主題や構成を採り、創作においてどのように活用したのかについての検証を行った。稲垣はロマン主義の主要作家に関する一時資料の調査を中心に、資料発掘と整理を行い、ロマン主義文学の生成研究の基礎を固めた。和田章男は1909年から1911年にかけてのプルースト草稿をよりどころに、語彙とイメージの時系列的変遷に関して統計学的な視点も導入して研究を行った。松澤は数多くの関連資料をふまえフロベール生成研究をさらに推進するとともに、日本近代文学に生成研究を応用する準備を行った。加藤は和田章男とともに出版計画を進めているプルースト・カイエのディプロマティック・エディションの基礎固めを行い、その成果をプルースト研究誌に発表した。三野はカミュの研究資料の総合データベースの構築をはかった。水野はネルヴァルに関する生成研究の問題点をまとめた。その成果に基づき第2回研究会(4月8日)で基調発表を行う予定である。和田光昌は文学言語が医学など諸科学と取り結ぶ関係などについての研究の見地から、多領域を包摂する生成研究のあり方を検討した。
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Research Products
(7 results)