2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17202007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田口 紀子 京都大学, 文学研究科, 教授 (60201604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 一義 京都大学, 文学研究科, 教授 (30119870)
増田 真 京都大学, 文学研究科, 助教授 (10238909)
永盛 克也 京都大学, 文学研究科, 助教授 (10324716)
稲垣 直樹 京都大学, 人間環境学研究科, 教授 (20151574)
和田 章男 大阪大学, 文学研究科, 教授 (00191817)
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Keywords | 生成研究 / 草稿研究 / プルースト / フロベール / ロマン主義 |
Research Abstract |
平成18年度は三回の研究会を催した。 4月8日(土)の研究会では、加藤靖恵「Cahier64 - Leconte de Lisleと「花咲く乙女たち」」、水野尚「ネルヴァル研究における生成研究の現在」の研究発表が行われた。加藤の発表は、プルースト作品の生成における間テクスト性の役割について、水野の発表は、「シルヴィー」の複数の版の間での異同の分析から、テクストの再解釈が示された。 9月16日(土)の研究会では和田光昌「フロベール『ブヴァールとペキュシェ』の草稿に見る知と語り」、増田真「音楽論から記憶と夢想の詩学へ-ルソーの文学美学の形成の一側面」の研究発表が行われた。和田は作品の草稿分析からその背後にある時代の「知」の確定を試み、増田はルソー研究での「草稿」の意味を論じ、例として音楽論をめぐる著作のテクストからいかにルソーが自己の文学美学を形成したかを検討した。 12月16日(土)の研究会では三野博司「ギロチンをめぐる三つのテクスト-『異邦人』『ギロチン』『最初の人間』」、吉川一義「プルースト-批評から創作へ」の研究発表が行われた。三野はカミュにおけるギロチンのテーマがどのように変遷したかを三作品において検証し、吉川はプルーストの批評作品がどのように創作へと結びついたかを読書のテーマについて明らかにした。 以上の研究発表に加えて、本研究のテーマに基づいた国際シンポジウム(本年12月開催予定)の実現に向けて準備を始めた。現在班員を中心とした発表者17名を確定し、プログラムの決定に向けて作業を行っているところである。
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Research Products
(7 results)