2008 Fiscal Year Annual Research Report
スラブ・ユーラシアにおける東西文化の対話と対抗のパラダイム
Project/Area Number |
17202008
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
望月 哲男 Hokkaido University, スラブ研究センター, 教授 (90166330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀山 郁夫 東京外国語大学, 学長 (00122359)
松里 公孝 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (20240640)
三谷 恵子 京都大学, 大学院・人間環境学研究科, 教授 (10229726)
楯岡 求美 神戸大学, 国際文化学部, 准教授 (60324894)
沼野 充義 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (40180690)
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Keywords | スラブ / ユーラシア / 旧ソ連圏 / アイデンティティ / 帝国 / 伝統文化 / 東西文化 / オリンエンタリズム |
Research Abstract |
旧ソ連圏スラブ・ユーラシア世界の現代文化の特徴を、東西文化の対話と対抗という位相で分析し、研究の総括を進めた。 旧ソ連圏の中で文明史的に重要な意味を持つ地域として、モスクワ、サンクト・ペテルブルグの両首都、北ロシア、ヴォルガ・ウラル地域、コーカサス、環黒海地域、中央アジアを主な対象とし、地域学的な比較研究を進めた。 とりわけ20世紀の歴史が現代社会にもつ意味や影響を重視し、共産圏の日常世界に関する現代的観点からの研究を進めた。 個別の解明点 : ヨーロッパ・アメリカ文化に対しては、功利的受容と心理的反発の両面が観察される。 信仰や民族的イデオロギーに対する態度には、原理主義と功利主義、個人的関与と社会レベルでの展開・応用との間に大きな落差が見られる。 ロシア帝国・社会主義ソ連の記憶が、現代の国家イメージと複雑に絡み合い、さまざまなシンボルや思想と結びついて現代でも有効性を発揮している。 東西文明論の枠組みによってスラブ・ユーラシアの文化研究を行うことは、今後の世界文化論にとっても有効であり、また重要な意義を持つ。
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Research Products
(29 results)