2006 Fiscal Year Annual Research Report
プロソディーの構造と文法性、文理解に関する総合的研究
Project/Area Number |
17202010
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
窪薗 晴夫 神戸大学, 文学部, 教授 (80153328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田窪 行則 京都大学, 文学研究科, 教授 (10154957)
郡司 隆男 神戸松蔭女子学院大学, 文学部, 教授 (10158892)
坂本 勉 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (10215650)
馬塚 れい子 独立行政法人理化学研究所, 脳科学研究総合センター, チームリーダー (00392126)
広瀬 友紀 東京大学, 総合文化研究科, 助教授 (50322095)
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Keywords | プロソディー / 文法性 / 文理解 / イントネーション |
Research Abstract |
「プロソディーの構造」、「文法性の判断」、「文理解のメカニズム」の3つを主たる研究対象として、これらの事象がお互いどのように関係しているのかを、以下の7点について考察した。 1.フォーカスの存在によってダウンステップが阻止されないことを音響実験を通じて明らかにし、その結果をもとに、韻律構造の階層性について考察した。 2.モーダルの述語のスコープと焦点イントネーションとの関係、日本語のモーダル副詞の意味と焦点イントネーションとの関係を研究した。 3.否定極性表現を含む日本語の文の韻律と意味表示との関係について、方言差の影響を考慮した調査を行った。 4.文理解における韻律情報の影響を調べるために、関係節を含む文の無アクセント語のFOを調整した刺激を用いて実験を行った。その結果,アクセント句初頭におけるピッチ上昇が左端節境界を示す情報として機能することが明らかになった。 5.疑問詞やフォーカスが関わる音調について、福岡方言と東京方言、朝鮮語釜山方言を対照して、研究を進めた結果、3者の異同が明らかになりつつある。 6.幼児の文理解におけるプロソディーの役割について実験的研究を行った。特に、文中に広く分散して存在するプロソディーの情報が、逐次的に進行する文理解の過程でどのように使われるかを検討した。 7.構造的曖昧文の理解および産出について、韻律情報の使われ方・現れ方と視覚的情報の相互作用について検討するための実験を引き続き行い、その結果を国際学会にて発表した。 以上の結果を公開ワークショップ(1月20日、於九州大学)において発表し、あわせて今後の研究課題について検討した。
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Research Products
(13 results)