2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17202012
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Research Institution | Advanced Telecommunications Research Institute International |
Principal Investigator |
山田 玲子 Advanced Telecommunications Research Institute International, 認知情報科学研究所, 主幹研究員 (30395090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 宏明 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 認知情報科学研究所, 主任研究員 (20374093)
足立 隆弘 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 認知情報科学研究所, 研究技術員 (50374111)
生馬 裕子 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 認知情報科学研究所, 研究員 (10426645)
久保 理恵子 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 認知情報科学研究所, 研究員 (50395092)
山田 恒夫 (独)メディア教育開発センター, 研究開発部, 教授 (70182540)
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Keywords | 第二言語習得 / 音声知覚 / 音韻 / 韻律 / 語彙 / 年齢効果 / WBT / 音声言語 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、外国語学習の初期にあるさまざまな年齢の学習者に、音声言語の基本要素である「音韻」「韻律」「語彙」の各要素について、コンピュータによる等質な訓練を施し、学習年齢の影響を明らかにすることであった。最終年度である今年度は、実験実施校を増やしデータの追加をおこなうともに、そのデータを分析、結果の一部については学会やホームページで発表あるいは公開した。 日本国内の小学校に通学する低学年児童と高学年児童を対象として、コンピュータを用いて等質化した英語学習を行い、その効果を検証した。従来の言語学習の臨界期仮説で一般に見られるように、言語を総体としてとらえるのではなく、音韻、リズム、語彙といった要素に分けて分析を行った。その結果、小学生において有意な学習効果がみられ、効果、学年、要素の間に交互作用があった。音韻、リズムについては、低学年は高学年にくらべて学習効果が低かったが、語彙については低学年が高学年にくらべて学習効果が高かった。学年による違いは、学習に用いた課題やコンピュータ操作など、それ以外の要因の影響も考慮すべきではあるが、それを超えて、言語の要素と学年の間で交互作用があったことは、外国語の学習において要素によって学習に適した年齢が異なることを示唆する。 また、開発した評価・訓練システムを教育現場に導入し、その効果を測定できたことは、年齢効果に関するデータの収集にくわえて、研究成果の実用化にむけて、システムの改善、コンテンツの最適化を図る点でも有益であった。 4年間の成果を現在研究成果報告書にまとめているほか、広く成果普及のためにホームページを開設し公開する計画である。
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