2008 Fiscal Year Annual Research Report
古代東アジアにおける造瓦技術の変遷と伝播に関する研究
Project/Area Number |
17202022
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Research Institution | National Research Institute Cultural Properties, Nara |
Principal Investigator |
山崎 信二 National Research Institute Cultural Properties, Nara, 副所長 (10090375)
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Keywords | 考古学 / 瓦 / 製作技術 |
Research Abstract |
東アジアの瓦研究は、日本の飛鳥・白鳳期を例にとってもいまだ文様論が主体であり、製作技術を含めた総合的な変遷観を確立するにいたっていない。一方、朝鮮半島の瓦の研究も、近年、かなりの進展をみせているとはいえ、製作技術にまで及んだ考察は少なく、中国の南北朝以降の瓦研究にいたっては、ようやく緒に就いた段階である。したがって、系統だった編年案もなく、製作技術に触れた論考も僅少で、いまだ眠ったままの資料も多い。本研究は、こうした現状に鑑み、日本・朝鮮半島・中国のとくに8世紀初頭頃までの瓦について、それぞれの国ごとに文様や製作技術の詳細かつ総合的な変遷観を確立すること、そして国を越えた文様・技術伝播の様相を明らかにし、各国の造瓦組織の実態を解明することを目的としている。 最終年度にあたる本年度は、中国社会科学院考古研究所や韓国国立中央博物館・国立慶州博物館ほかの協力のもとで、過去3年間に両国の各地で実施した現地調査の成果に基づき、中国と朝鮮半島における造瓦技術の展開と、中国から朝鮮半島ならびに朝鮮半島から日本への伝播の実相に関するとりまとめをおこなった。 そして、中国および韓国の研究協力者を日本に招聘して、奈良文化財研究所で国際シンポジウムを開催し、それらの研究成果を公開するとともに、研究成果報告書『古代東アジアにおける造瓦技術の変遷と伝播』を刊行した。また、同書には、昨年3月に北京の中国社会科学院考古研究所で開催した国際学術検討会「四〜十世紀の中国の造瓦技術(中国語原題:四至十世紀東亜制瓦技術研究)」の報告資料を翻訳のうえ掲載した。
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Research Products
(9 results)