2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17203012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中井 和夫 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40188868)
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Keywords | 破綻国家 / 紛争 / 難民 / 安全保障 / 平和維持 / 平和構築 |
Research Abstract |
研究期間最終年度にあたる今年度は、四年間にわたる研究成果の取りまとめと発信を最優先に研究活動を行った。そのため研究会を頻繁に開いて研究代表者・連携研究者の間で研究活動に関わる情報の共有に努めたほか、東京大学大学院総合文化研究科「人間の安全保障」プログラムとともに、外部の研究者を招いた公開のセミナーやシンポジウムを幾度か開催し、研究組織を越えた学術交流の機会を積極的に求めた(http://human-security_c.u-tokyo.ac.jp/events.htm 参照)。なかでも、2008年11月8日に開催された公開シンポジウム「国際間題としての国家破綻」は、学術交流と研究成果の発信の両面できわめて意義深い内容をもつものになった(http://human-security.c.u-tokyo.ac.jp/symposium/sympo20081108.htm 参照)。さらに、こうした機会に触発されるかたちで、研究代表者・連携研究者の研究活動も進展し、中井が旧ソ連地域の民族紛争を扱った研究を進めたほか、ラテンアメリカ諸国の政治変動を対象とする恒川恵一(連携研究者)、国家再建活動への日本の関与の法的基盤を考察した小寺彰(連携研究者)の研究、国家の破綻状況への介入に関わる石田淳(連携研究者)の理論研究、ソマリアやルワンダにおける紛争とそれに伴う国家破綻の歴史を検証した遠藤責や武内進一(ともに連携研究者)の研究、破綻国家の再建・復興のためのアプローチを多面的に考察した青井千由紀(連痍研究者)の研究などが各所で発表されている。このような研究活動を支える研究基盤についても随時拡充が行われ、紛争、難民、平和構築といったテーマを扱った著作や、主にアフリカの国々を対象とする学術書の購入が昨年度に続いて進められた。また、昨年度より試験運用が開始された「難民ドキュメンテーション・センター」も、学術研究支援員によってその内容が質量ともに拡充された。山影進(連携研究者)が進める破綻国家のシミュレーションモデルも、アフリカの国々の実データと統合したシミュレーションが行われるなど、実証性を兼ね備えたものへと発展しつつある。
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Research Products
(13 results)