2005 Fiscal Year Annual Research Report
ケンブリッジ学派に関する経済学史的視座からの批判的評価
Project/Area Number |
17203015
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
西沢 保 一橋大学, 経済研究所, 教授 (10164550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 俊顕 上智大学, 経済学部, 教授 (60119112)
袴田 兆彦 中央大学, 商学部, 教授 (20147002)
藤井 賢治 青山学院大学, 国際マネジメント研究科, 助教授 (20189989)
小峯 敦 龍谷大学, 経済学部, 助教授 (00262387)
下平 裕之 山形大学, 人文学部, 助教授 (30282932)
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Keywords | ケンブリッジ学派 / ケインズ革命 / 厚生経済学 / 福祉国家 / 産業経済学 / マーシャル / ビグー / ケインズ |
Research Abstract |
我々の研究課題は、およそ3つのことをテーマにしている。1.現在にいたる「ケインズ革命」の過程を理論と歴史のコンテキストに即して批判的に検討すること。2.マーシャルからケインズにいたるケンブリッジ学派について、マーシャル的産業経済学・産業組織論の伝統を解明すること、3.ケンブリッジ学派を中心に創設期の厚生経済学と福祉国家について研究を進めること、である。我々は国内での研究会による準備を踏まえて、平成18年3月に国際ワークショップを開いた。それは、"Welfare economics and the welfare state in Britain"および"Keynes's influence on macroeconomics"をテーマとし、前者については11本(うち海外から7本)の論文、後者については6本(うち海外から4本)の論文が提出された。前者は、R.Backhouse、塩野谷裕一、西沢保、小峯敦、C.Marcuzzoらの論文を含み、創設期の厚生経済学の多元性とイギリス福祉国家の起源について新たな知見と枠組みが提示され、これまでの研究成果も合わせて、英文の本としての出版が予定されている。後者についても、平井俊顕、O.Hamouda、渡辺良夫らの論文が報告され、『一般理論』の形成過程、ケインズとヒックス、ポストケインズ派などの論点から、「ケインズ革命」とマクロ経済学に関して研究の進展があった。また、平成17年9月にも小規模の国際ワークショップを行い、マーシャル的産業経済学・産業組織論に関して、T.Raffaelli、藤井賢治らの研究報告があり、産業集積、外部経済、進歩とイノベーションなどに関して新たな知見が得られた。このテーマについては、RaffaelliやM.Dardiらとの共同研究が予定されている。
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Research Products
(5 results)