2007 Fiscal Year Annual Research Report
ケンブリッジ学派に関する経済学史的視座からの批判的評価
Project/Area Number |
17203015
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
西沢 保 Hitotsubashi University, 経済研究所, 教授 (10164550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 俊顕 上智大学, 経済学部, 教授 (60119112)
袴田 兆彦 中央大学, 商学部, 教授 (20147002)
藤井 賢治 青山学院大学, 国際マネジメント研究科, 教授 (20189989)
渡辺 良夫 明治大学, 商学部, 教授 (50130844)
小峯 敦 龍谷大学, 経済学部, 准教授 (00262387)
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Keywords | 経済理論 / 経済政 / 経済史 / 思想史 / 西洋古典 |
Research Abstract |
平成19年度は、まず研究成果の出版準備を進めた。西沢はバックハウス教授(バーミンガム大学)と協力して、「創設期の厚生経済学と福祉国家」について"No Wealth but Life: Welfare Econmics and the Welfare State in Britain"の原稿集め、改訂依頼等を行い(小峯はベヴァリッジ論を執筆)、1.ケンブリッジの厚生経済学と福祉国家、2.オクスフォードの倫理学と福祉の問題、3.政策における厚生経済学、4厚生経済学とは何か、という4部構成の本の内容はほぼできている。また塩野谷祐一教授と"Marshall and Schumpeter on Evolution: Economic Sociology of Capitalist Development"の出版準備(藤井はマーシャル論を執筆)を最終段階まで進め、すでに印刷に入っている。平井はマルクッゾ教授(ローマ大学)と協力して、"Keynes Scholarship: What have we learned and what is it for?"の出版準備を進めた。また、日本語の本の出版についても、研究分担者全体の研究会を何度か行い、5巻本の出版計画について議論し、「創設期の厚生経済学と福祉国家」については、本の構成・執筆者についても骨格はできている。 3月に2つの国際コンファレンスを行った。西沢は、ラファエリ教授(ピサ大学)、アレーナ教授(ニース大学)と協力して、12名の研究者の海外から招聘して「マーシャルとのマーシャル派の産業経済学」について国際会議を行った。マーシャル自身の産業組織論、産業地域論の再構成、マックレガー、レイトン、ロバートソンのようなマーシャルと同時代のマーシャル派、リチャードソンを中心に後のオクスフォードにおけるマーシャル派、現代の産業経済学との関係について、非常に有益な国際会議(藤井はマーシャル、下平はロバートソンについて報告した)であり、ラファエリ教授と出版の可能性を検討している。平井はマルクッゾ教授と協力して、5名の研究者を海外から招聘して、ケインズ・コンファランス、「ケインズの経済学およびその現代経済学への影響」を行った(袴田はカーンについて報告した)。また、マーシャル・コンファレンスの翌日、経済学史学会の若手育成プログラムの一環としてYoung Scholars Seminarを行った。大学院生を中心に10名の若手研究者が報告、4名の海外からの招聘研究者がコメントを行い、すべて英語で行うというYoung Scholars Seminarも非常に有益であった。
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Research Products
(23 results)